カルシウムでアレルギー予防!鼻炎や花粉症対策に効果的な理由とは?

たくさんの人を悩ませるアレルギー性疾患――。

喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など、様々な疾患がありますが、日本人のふたりにひとりが何かしらのアレルギー性疾患にかかっているそうです。近年は花粉症によるアレルギー性鼻炎が年々に増えているそうですので、とても身近な問題ですよね。

そんなアレルギーの予防にカルシウムが重宝されているのはご存知でしょうか?

実は、「カルシウム不足によってアレルギーの症状が現れやすくなる」という学会の報告もあるほど、確かな情報だと言われています。ここでは「カルシウムとアレルギー予防(鼻炎や花粉症など)の関係性」をはじめ、カルシウムの効果的な摂取方法についてもご紹介します。

カルシウムでアレルギー予防! 鼻炎や花粉症対策に効果的な理由とは?

カルシウム不足になると、アレルギー反応が出やすい理由

アレルギーとは、特定の物質を摂取、接触することで身体に起きる「異常な免疫反応」のことを言いますが、カルシウムはこの免疫反応と深い関わりがあります。カルシウムは体内に異物が侵入してきたことを知らせる情報伝達の役割を果たしているのです。

通常、細胞内にあるカルシウムは非常に低い濃度で保たれています。

異物(外敵)が体内に侵入するとカルシウムが情報を伝え、それと同時に体内では抗体が作られて異物が広がらないようにします。

ところが、体内でカルシウムが不足すると、骨に蓄積されているカルシウムが細胞内に解け出して、不足分を補おうとします。これによって細胞内のカルシウム濃度は普段よりも高まり、いつものように情報伝達ができなくなるのです。これが原因となり、アレルギー反応が起きやすいと言われています。

日頃からカルシウムを補給して、アレルギー物質が体内に広がらないよう努める――。

これも花粉症対策のひとつと言えるでしょう。

カルシウムは、どのタイミングで摂取するのが効果的なの?

「いつ食べるの?」という時間栄養学の観点で言えば、就寝の1時間半~3時間半前が良いと言われています。骨は眠っている間に作られますので、カルシウムを効率的に摂取、吸収するのは前述の時間帯がベストです。

仕事や家事が忙しい人にとっては、このタイミングで摂取するのは難しいですよね。そんな場合は、食前がおすすめです。理由は、カルシウムはアルカリ性ですので、食後に摂ると胃のなかが中和され、消化不良が起こりやすくなるからです。

カルシウムの吸収率を高める摂取方法

カルシウムは、摂取したものすべてが体内で吸収されるわけではありません。年齢や食生活によっても違いますが、カルシウムの多くが汗や尿などと一緒に排泄されてしまいます。

ゆえに、意識してカルシウムを摂取しているのに不足しているということが起こり得ますので、吸収率が高い食品を選ぶのが効果的です。吸収率の高い食品は乳製品、小魚類、野菜類です。

カルシウム吸収率の目安

  • 乳製品 50%
  • 小魚類 30%
  • 野菜類 20%
乳製品の吸収率が高いのは、乳製品に含まれるアミノ酸がカルシウムの吸収を高めるからと言われています。また、マグネシウムやビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるので一緒に摂ることをおすすめします。ちなみに、マグネシウムも不足しやすい栄養素ですので意識して摂取しましょう。

サプリメントでカルシウムを補給する場合の注意点とは!?

サプリメントでカルシウムを摂取する場合、カルシウムの配合量のほか、マグネシウムやビタミンDが配合されているかどうかを確認しましょう。できれば、少しでも効率よくカルシウムを摂りたいですからね。

一方、サプリメントの過剰摂取も問題となっていますので、不足している量を摂取するようにしましょう。これを調べるのはなかなか難しいですが、カルシウムの目標摂取量実際の平均摂取量を知っておけば、自分の不足量を知る指針になるかもしれません。

ここでは、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」を参考に、カルシウムの目標摂取量(一日/推奨量)をご紹介します。

  • 30~49歳>男性650㎎ 女性650㎎
  • 50~69歳>男性700㎎ 女性650㎎

同じく厚生労働省の「国民健康・栄養調査(2016)」には、カルシウムの実際の平均摂取量が記されています。

  • 30~49歳>男性439㎎ 女性435~442mg
  • 50~59歳の男性491~543㎎ 女性478~539㎎

 

両者の差額(不足量)は……

  • 30~49歳>男性211㎎ 女性208~215㎎
  • 50~69歳>男性157~209㎎ 女性111~172㎎

日本人の多くの人が、カルシウムが不足していると言えますね。これを目安に、食品やサプリメントからカルシウムを補給するのも一手でしょう。

カルシウム不足が招く、アレルギー以外の疾患は?

 

カルシウム不足で骨や歯が弱くなる

骨を作る栄養素であるカルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなります。このため、虫歯、歯周病、骨折、骨粗しょう症、骨軟化症。子どもはくる病やあごの骨の発育不良などが起こりやすくなります。

カルシウム不足で神経、精神、筋肉などに疾患

体内のカルシウムのほとんどが骨や歯に含まれていますが、残りは血液中や筋肉、神経などにあります。このため、カルシウムが不足することで、神経過敏となり、イライラ、怒りっぽくなるなどの症状が起こるほか、うつ病などの精神疾患などを引き起こす可能性があります。

また、心臓の鼓動に異常をきたし、不整脈が起こることも。このほか、筋肉の収縮に問題が起こると、足がつる、手足がしびれる、けいれん、こむら返りなどが起こりやすくなります。

カルシウム不足で血流や血圧などに異常

カルシウムが不足すると、血液中のカルシウムの濃度を一定に保つため、骨からカルシウムが流れていきます。この結果、血圧が上がり、高血圧や動脈硬化が起こりやすくなることも。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞を招きやすくなることはよく知られていますね。

【まとめ】

カルシウムは「骨の強度」や「精神の安定」だけではなく、アレルギー性疾患の予防も果たしている大切な栄養素です。カルシウムが、「体内に異物が侵入してきたことを知らせる情報伝達」の役割をしていたとは驚きですよね。カルシウムの効果的な摂取は、アレルギー性鼻炎や花粉症対策のひとつになります。意識して摂って行きましょう。

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