手足がつる原因はカルシウム不足かも。予防に効果的な食べ物と成分

「寝ているときに足がつった」、「運動中に足がつって動けなくなった」、「手の指がつって箸が持てなくなった」など、皆さんも一度くらいは手足がつった経験あるのではないでしょうか。ふくらはぎ、足の裏、足の指、太ももの裏、手の指など、さまざまな部位で起こりますよね。

手足がつる原因というのは、多くの場合は筋肉への負担や硬直などによって起こるものですが、もちろんそれだけではありません。栄養不足、水分不足、冷え、薬の摂取など、身体がつる原因はさまざまな事が考えられます。

ここでは、主に「栄養不足」に照準を絞ってご紹介します。どんな食べ物、成分が不足するとつりやすいのか。はたまた、「手足がつる」だけではなく大きな病気が潜んでいることも!?

手足がつる原因に栄養不足がある! 予防に効果的な食べ物、成分は?

カルシウムは筋肉の動きをスムーズに

骨や歯を作る栄養素として知られているカルシウムですが、実は神経のいらだちを抑えるほか、筋肉をスムーズに収縮させる働きなども併せ持っています。ですので、カルシウムが不足すると、手足がつる、手足のしびれ、けいれんといった症状が現れることがあるのです。

カルシウムは桜エビ、シラス、あゆ、わかさぎなどの魚類。プロセスチーズ、カマンベールチーズなどの乳製品。パセリ、モロヘイヤ、バジル、シソ、大根の葉などの野菜。油揚げ、厚揚げなどの大豆類などに多く含まれています。

なお、最近はカルシウム不足を補うために、スキムミルク(脱脂粉乳)を摂り入れる人が増えています。スキムミルクにはカルシウムやタンパク質が高含有ですが、一部の有識者のあいだでは「加工するうえで問題がある」と指摘する声も。賛否両論あることを踏まえたうえで、摂るか摂らないか決めるのが得策でしょう。

マグネシウムは筋肉が収縮する働きを促進

マグネシウムは、外部刺激に対する神経の興奮を鎮め、また筋肉の収縮を促進する働きもあります。

筋肉の収縮は、細胞の中にカルシウムが入ることで起こりますが、このとき、体内のカルシウムの分量を調整するのがマグネシウムです。カルシウムが増えすぎると、筋肉の収縮がうまくいかず、けいれんやふるえなどの症状が現れることも。ですので、マグネシウムは大切な存在と言えます。

マグネシウムは、アーモンドやナッツなどの種実類。大豆や納豆などの大豆類、ひじき、のり、わかめなどの海藻類。カキ、カツオ、サンマなどの魚類。ほうれんそう、とうもろこし、枝豆などの野菜類に多く含まれています。

ナトリウムとカリウムも筋肉の伸縮運動に関係

塩分の摂り過ぎに注意しよう!

ナトリウムカリウムは、非常に深い関係のあるミネラルで、互いにバランスを保ちながら、細胞の浸透圧を維持しています。

細胞の浸透圧とは?

簡単に言えば「細胞に水を引き入れる力」。細胞外液にあるナトリウムイオンと、細胞内液にあるカリウムイオンが細胞膜を通して電気信号を発し、筋肉の伸縮運動に関わっているのです。

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2015年度版)」には、ナトリウムの推定平均必要量(目標量)がこう記されています。

  • 18歳以上の男性は8g/日以下
  • 18歳以上の女性は7g/日以下

ところが、アメリカでは5gが適量と言われ、日本人は塩分の摂り過ぎであることが指摘されています。

また、同資料によれば、カリウムの推定平均必要量(目安量)はこう記されています。

  • 18歳以上の男性は2500mg/日
  • 18歳以上の女性は2000mg/日

しかし、厚生労働省による「国民健康・栄養調査(2016)」には、カリウムの摂取量がこう記されています。

  • 30~39歳の男性は2067mg/日
  • 30~39歳の女性は1925mg/日
  • 40~49歳の男性は2130mg/日
  • 40~49歳の女性は1937mg/日
  • 50~59歳の男性は2291mg/日
  • 50~59歳の女性は2217mg/日
  • 60~69歳の男性は2556mg/日
  • 60~69歳の女性は2476mg/日

カリウムは若年層で足りていないのが現状です。

摂り過ぎたナトリウム(塩分)を排出する働きがあるカリウム。ゆえに、あくまでも食生活のイメージは、「ナトリウムを控え、カリウムは積極的に摂る」を心掛けましょう。

パセリやほうれん草などに含まれているカリウムを摂って、塩分過多を調整したい

カリウムが多く含まれる食材は、パセリ、にんにく、モロヘイヤ、ホウレンソウなどの野菜類。大豆、きなこ、小豆などの豆類があります。「今日は塩分が多いレシピだな」と感じたら、こうした食材を上手に摂り入れてバランスを意識したいですね。

ビタミンB1は筋肉疲労に関係

「うなぎを食べると元気が出る」のは、科学的にも実証済みだった!?

ビタミンB1は糖質の分解を助けるビタミンです。

これが不足すると、糖質が分解できなくなり、その結果、手足のしびれ、むくみなどが見られるようになります。結果として筋肉が疲れやすくなりますので、運動中の「足がつる」といった症状には直結しやすいでしょう。ビタミンB1は多量に摂取しても排泄されてしまうため、意識して食事に摂り入れていくことが健康維持に役立ちます。

ビタミンB1が多く含まれる食材は、豚肉、うなぎ、ハムなどの植物性たんぱく質のほか、落花生や大豆といった植物性たんぱく質にも含まれています。

「手足がつる」を甘く見てはいけない!? 大きな病気に繋がる可能性は?

「手足がつる」だけではなく、ほかの病気が潜んでいる可能性も

「手足がつる」という症状が続く時は、まず食生活を振り返ってみましょう。

昨晩、飲み会があった。たくさん食べて、たくさん飲んだな
最近は忙しくて自炊できていない。外食かコンビニの弁当ばかりだ

人それぞれ、いろいろと気づくことがあるでしょう。「手足がつる」といった症状が出た場合は、まず注意したいのが食生活です。身体は口から入る食べ物や飲み物からできていますので、食生活を正せば改善できるかもしれません。

ところが、食生活を改善しても「手足がつる」という症状が引かない人もいるはず。その場合は、病気が潜んでいるかもしれません。とくに、以下のような症状が同時に見られたら、一度、医療機関に相談したほうがいいでしょう。

  • 喉が渇く
  • うまくしゃべれない
  • 手足がうまく動かない
  • 歩行がつらい
  • 腰が痛い、腰痛がひどい
  • 手足がむくんできた

いったいどんな病気が隠れているの?

一般的に、上記のような症状が出たらこの病気の可能性があると言われています。

  • 喉が渇く、手足がしびれる>糖尿病
  • うまくしゃべれない、手足がうまく動かない>脳梗塞
  • 歩行がつらい、違和感がある>脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化
  • 腰が痛い、腰痛がひどい>椎間板ヘルニア
  • 手足がむくんできた>腎疾患

気になる方は医療機関に相談することをオススメします。ただし、手足がつるという症状は、筋肉の疲労、食生活の乱れなどが原因である可能性が高いため、医療機関に相談する前に、日頃の食生活、運動の有無などを確認してみましょう。

薬の影響で手足がつりやすくなることもある

筋肉の疲労や食生活の乱れ以外にも、薬の影響で手足がつりやすくなる場合もあります。

高血圧、狭心症、甲状腺疾患、高脂血症、糖尿病などのような病気で薬を服用されているほか、ホルモン剤を使っている方は、手足がつりやすくなることがあるそう。あまりにも症状がひどい場合は、処方された医療機関などに相談するといいですね。

【まとめ】

手足がつる――。これが続くと不安になりますよね。

  • カルシウムやマグネシウムは不足していないか
  • ナトリウム(塩分)は摂りすぎていないか
  • カリウムやビタミンB1は摂れているか

まずは食生活を見直すことが大切です。気になる点はございませんか? 食生活を振り返ると、手足がつる原因が見えてくるかもしれません。食事をすこし気を付けるだけで改善されやすいと言われていますので、ぜひ実践してはいかがでしょうか。

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