不眠症の原因はストレスだけ?眠れない…にも様々な種類があった!

「眠れない」、「朝方に目が覚めてしまう」など、不眠に悩んでいる人はかなり多いそうです。

厚生労働省による平成27年の「国民健康・栄養調査」の調査によれば、一日の平均睡眠時間は男女とも「6時間以上7時間未満」が最も多く、それぞれ33.9%、34.2%。一方で、「5時間未満」と「5時間以上6時間未満」の合計もそれぞれ37.4%、41.2%でした。

もちろん人それぞれ、満足できる睡眠時間に個人差はあるでしょうが、一般的には「短め」の印象がある5~6時間未満の割合が、ここ10年間で最も多い数値になっています。「眠れない」と感じている人が増えてきていることが分かります。

さて、ここでは、「そもそも不眠症は何が原因で起こるのか――」をはじめ、「眠れない」、「朝方に目が覚めてしまう」など、不眠のタイプについても詳しくご紹介します。

不眠症になる原因は、心や体の問題だけではなかった!

不眠症の原因のトップと言える「ストレス」

不眠症の原因の中で最も多いと考えられているのがストレスです。ストレスを抱えていると、脳が覚醒し、眠ろうと思ってもなかなか眠れなくなってしまいます。

睡眠を邪魔するストレスについて、前述の「国民健康・栄養調査」を調べると、性は圧倒的に仕事、そして健康状態とあり、女性では仕事と家事がほぼ同じぐらいの割合で、健康状態と続きます。男女とも仕事上のストレスが睡眠を妨げていることが想像できますね。

興味深いのは20~30代の男女で、「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中する」ことも不眠の原因として上位を占めています。パソコンやスマホの明るい液晶画面は睡眠の質を低下するという研究結果がありますし、またTwitterやFacebookといったSNSも若年層においてストレスになっているという現実が見えてきますね。

不眠症と併発することが多い「精神疾患、神経疾患」

統語失調症やうつ病などの精神疾患、不安障害などの神経症を患っている多くの人が不眠症になってしまいます。この場合、医療機関において専門家によって精神疾患を治療していくことで、不眠症を改善していくことになります。

精神を安定させ、睡眠を導く成分にセロトニンがありますが、精神疾患を患っている方の多くで、セロトニンが不足しているという研究もあります。セロトニンは体内で生成されないため、食事で摂取しなければなりません。体内のセロトニンを増やす食材は、牛乳やチーズといった乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品に多く含まれています。カツオやマグロなどもおすすめです。

「外傷」や「痛みやかゆみを伴う疾患」も睡眠を妨げる

体の痛みや症状などが原因で「なかなか眠ることができない」ということもあります。痛みを伴う外傷をはじめ、関節痛やリウマチなど痛みをともなう疾患、湿疹やアトピー性皮膚炎などかゆみをともなう疾患、鼻づまり、花粉症、喘息など呼吸器の疾患、頻尿なども原因のひとつです。

こうした病気や痛みによる不眠症は、医療機関に相談して適切な治療を受けるだけでなく、睡眠を邪魔する要因を取り除くようにすれば、睡眠へと導かれるはずです。

「嗜好品」や「薬」による影響も眠れない原因のひとつ

ご存知の人も多いでしょうが、たばこに含まれるニコチン、コーヒーなどに含まれるカフェインには覚醒作用があります。このため、日常的にたばこやコーヒーを摂取している方は眠れないことがあるかもしれません。

アルコールは少量でしたら脳の覚醒を抑える働きがあります。飲み会の後、電車の中で眠ってしまった経験はどなたでもあるはず。ところが、飲み過ぎると、アルコールを分解する際に発生するアセトアルデヒドによって、睡眠は阻害されてしまい、浅い眠りが続いていきます。

このほか、自律神経や中枢神経に働く薬、ステロイド、降圧剤、ホルモン剤なども睡眠を妨げます。

ちなみに、「禁酒すると眠れない」という人もいらっしゃいますよね。これは、これまで少量のあるコールで眠っていた場合、「アルコールを飲まないことで眠れないかもしれない」と思い込んでしまっている.ストレスが原因だと考えられます。

「生理学」的な要因で眠れないことも

海外旅行などに出かけると、しばらくの間、時差ボケに悩まされますよね。慣れている方はそうでもありませんが、慣れていないとかなり長いこと時差ボケで苦しむことがあります。

こうした生理学的要因には、「時差ボケ」のほかに「寝室の明るさ」、「温度」、「騒音」なども挙げられます。また、「まくらや布団を替えた」、「引っ越した」、「入院することになった」、「仕事が夜勤になった」など、睡眠環境が異なることで眠れなくなることがあります。

不眠症の種類は様々|あなたの「眠れない」はどのタイプ?

気が付くと深夜1時すぎ……ということも多いのでは?

寝られない(入眠困難)タイプ|必死に寝ようとするけれど……

「今日も眠れないかもしれない」と悩み、寝る努力をするのですが……なかなか眠れない。入眠するのに困っているあなたは「入眠困難タイプ」です。眠れないから早く寝ようとしても眠れません。そう思うことが、かえって睡眠を邪魔している可能性もあります。

アドバイス!
睡眠前にリラックスできるようになると、眠りに導くことができることがあります。音楽、アロマ、マッサージなどいろいろ試してみましょう。

夜中に目が覚める(中途覚醒)タイプ|眠りが浅いのは年のせいかな……

年齢を重ねるにつれて、夜中に何度も目が覚めてしまうようになったと感じるあなた、それは中途覚醒タイプかもしれません。というのも、中途覚醒は高齢になると多くなると言われているからです。

また、中途覚醒は入眠困難も同時に現れることが多く、これは年齢を重ねるにつれて、眠りの質が落ちていくことの現れ。したがって、年齢に応じた症状とも言えます。

アドバイス!
目が覚めると、「あ、まだ2時か…」などと時間を気にせず、眠れないことをストレスに感じないようにすることが大切です。なお、寝酒をする方も中途覚醒の症状が出やすくなると言われています。

朝早くに目が覚める(早期覚醒)タイプ|生活のリズムがズレてきた……

早朝覚醒とは、朝早く目が覚めてしまい、その後、眠れなくなってしまう不眠症です。これは、「夜になったら眠る」という体内時計が年齢とともに少しずつ早く進んでしまったり、薬の副作用や精神疾患などが原因で睡眠の質が低下したりと、原因はさまざま。

ただ、症状としては、日中に強い睡魔に襲われたり、夜、どんなに遅く眠っても早朝に目が覚め、夕方になると強い睡魔に襲われて眠ってしまったりなど、生活のリズムがズレていることが多いとされています。

アドバイス!
細かい治療方法は専門の医療機関に相談するとして、一般的には、朝から太陽の光を浴び、朝ご飯を少量でもいいから口にするなど、生活のリズムを整えて、体内時計を元に戻すようにすることで、少しずつ改善されていくこともあるようです。

眠りが浅い(熟眠感欠如)タイプ|眠っているのに寝足りない……

布団に入るとすぐに眠れるし、十分に眠っているはずなのに…何だか寝たりない気がするという方、それは熟眠障害タイプです。熟眠障害の原因は、質のいい睡眠ができていないこと。深いノンレム睡眠ができていないため、脳が疲れて睡眠を欲しようとしていることだとよく言われます。

ノンレム睡眠とは深い眠りの種類で、浅い眠りから深い眠りへと4段階あります。深い眠りとは熟睡状態のことで、この時間が短いため、熟睡しているように感じることができないわけです。

このタイプも過度のストレス、加齢などが原因とされています。

アドバイス!
生活のリズムを整え、適度な運動を入れて、睡眠の障害になるような刺激物などを摂取しないようにするなど、生活を見直すことも大切です。

【まとめ】

不眠症にはさまざまなタイプがあり、原因もいろいろありました。睡眠不足が続くと、日常生活に支障が出るだけではなく、精神的にも落ち込み、やる気がなくなり、生きている実感がわかなくなるなど、さまざまな諸問題を抱えるようになってしまいます。あまりにもひどい場合は専門の医療機関に相談し、一日でも早く快眠を取り戻すことができるようにしたいですね。

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