「今度こそダイエットをして自分を輝かせたい!」とダイエットを始めたものの、「疲れやすくなった……」、「便秘になった……」といった体調不良を感じたことがある人は少なくないはずです。そんなふうに感じたことがあれば、ひょっとしたらダイエット中の野菜不足が原因かもしれません。ここでは、野菜不足から引き起こる身体の不調について症状別にご紹介。合わせて、食べるべき野菜についてもお知らせします。
タイトル
厚生労働省が推奨する「一日の野菜の適正量」は何グラム?
厚生労働省が一日に必要な野菜の摂取量を「350グラム」と推奨しているのをご存知でしょうか? 淡色野菜が230グラム、緑黄色野菜は120グラムを摂ると栄養のバランスが良く、健康的な身体にアプローチできるそうです。

普通のトマトは1個150グラム程度。プチトマトは1個10グラムほどです。毎食、写真の分量が摂れれば「350グラム」は達成できるはず
350グラムの野菜ですが、たとえば淡色野菜のレタス7~8枚(250グラム程度)、緑黄色野菜のトマト1個(150グラム程度)の分量です。350グラムは決して難しい数字ではありませんが、ダイエット中は食べる量が全般的に減りますので、自然と野菜不足に陥りがちになると言われています。
また現代人は、ファストフードやコンビニのお弁当など、偏った食生活を送っていることが原因で、ダイエットをしていなくても野菜不足になりがち。普段から野菜中心の生活をしている人にとっては難しくないですが、コンビニ中心の人にとってはハードルが高いかもしれませんね。
野菜には全般的に、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれていて、体のさまざまな機能に働きかけ正常に体が働くように作用しています。ただ栄養素が不足すると、正常に働くことができなくなり、体の不調が現れてきます。
それでは、ダイエット中によくある身体の不調を症状別に見て行きましょう。
ダイエット中の野菜不足が引き起こす体への影響とは!?
食物繊維が不足することによる「便秘」

野菜不足になると、どうしても不足してしまうのが食物繊維です。ダイエット前には便秘ではなかった人も、野菜不足になると便秘になりがちです。
便秘に種類があるのはご存知でしょうか。日本人に最も多いのが「弛緩性便秘」で、食物繊維の不足が原因で起こる便秘です。ダイエット中に便秘になる人の多くがこの「弛緩性便秘」と言えるでしょう。
食物繊維はどのような働きをしているの?
食物繊維には不溶性と水溶性の2種があり、野菜の種類によっていずれかに分類できると言えます。その名の通り、不溶性は「水に溶けない食物繊維」、水溶性は「水に溶ける食物繊維」です。
不溶性食物繊維の働きは、蠕動運動を活発にしてくれます。水には溶けませんが、水分を吸収する性質があります。消化酵素で消化されず、腸まで届いた水溶性食物繊維は水分を吸収して膨らんで、蠕動運動を促がす仕組みです。
- ゴボウ、菜の花、春菊、モロヘイヤなどの野菜類
- いんげん豆、ひよこ豆、大豆などの豆類
- しらたき、こんにゃく、さつまいもなどのいも類
- えのきだけ、しめじ、しいたけなどのきのこ類
不溶性食物繊維に限りませんが、効果的に腸で働かせるためには、これらの食材を摂ったうえで、水分をしっかりとることです。水分不足だと、水分を十分に吸収できずに、便が硬くなってしまい、便秘が加速してしまいます。
一方、水溶性食物繊維の働きは、糖の吸収をゆるやかにしにして急激な血糖値の上昇を起こさないようにします。また、善玉菌を増やして腸内環境を整えるという働きもしてくれます。
- 寒天、ひじき、わかめなどの海草類
- キウイ、バナナ、リンゴ、柿などの果物類
- ゴボウ、アボカド、オクラなどの野菜類
ちなみに、ストレスが原因で起こる痙攣性(けいれんせい)便秘の人は、水溶性食物繊維を多めにとって便を柔らかくして便秘を改善しましょう。
ビタミンAの不足でニキビ、吹き出物などの「肌荒れ」

にきびや吹き出物などの肌荒れや乾燥肌は、ビタミンAが不足して引き起こると言われています。ビタミンAは、肌の新陳代謝を高めてくれる働きがあり、新陳代謝が低下すると、古い角質が肌に溜まってしまい、吹き出物やニキビの原因になってしまいます。
また、ビタミンAには、皮膚の保湿効果もあり肌の乾燥を防ぎます。そして、鼻や粘膜を健康にしてくれ免疫力が高まります。そして現代時人に多いドライアイの予防にもなります。
ビタミンAを多く含む野菜
- ほうれん草、ピーマン、ブロッコリー、かぼちゃ、にんじんなど
鉄分不足による「貧血」
無理なダイエットを頑張り過ぎて、「顔が青白いよ」と周りの人に心配された経験はありませんか? めまい、頭痛、息切れ、耳鳴りなどの症状を感じたら貧血かもしれません。
貧血といえば鉄分不足で、「レバーを食べないと!」と考えがちですが、実は野菜不足から貧血になることも多いのです。血液の材料となる鉄分やタンパク質は野菜にも含まれていて小松菜、ほうれん草、枝豆などに多く含まれます。
また、赤血球の生成を助けるビタミンB12や葉酸の摂取も大切で、ブロッコリーやモロヘイヤに多く含まれますので積極的に摂りましょう。適切に野菜やタンパク質を摂ると血液を作る材料が体に入り、しっかりと血液が作られます。
加えて、効果的に鉄分を吸収するには、ビタミンCが必要になり、赤ピーマンやパセリなどに多く含まれています。すべてを意識しながら摂取するのは非常に難しいですが、「たくさんの種類の野菜を摂る」と心掛ければ、貧血は改善されていくでしょう。
ミネラルやビタミンの不足による「免疫力の低下」

ダイエットすると風邪をひきやすくなったり、体がだるくやる気がでないといった経験はありませんか? それはミネラルやビタミンが不足しているのが原因かもしれません。
外から体の中に入ってきた細菌やウィルスを「異物」と感知して排除する働きの免疫細胞は、腸に6割が存在していると言われています。実は、この免疫細胞を活発にさせるのがビタミンの役割なのです。野菜に多く含まれているビタミンが、ダイエットや食生活の偏りで体に入ってこないと、免疫細胞は活発に働かなくなります。
また、食物繊維の仲間のβグルカンという物質は、腸内の免疫細胞に働きかけて免疫システムを正常に働かせようと促します。
免疫力を高めるためには、オクラやモロヘイヤなどのネバネバ野菜やキノコ類(βグルカンが豊富)がおすすめ。白血球を活発にする働きがある白菜、レタスをしっかりとることが大切です。
【まとめ】
ダイエットからなる野菜不足によって便秘、肌荒れ、貧血、免疫力の低下といった症状が引き起こされることがわかりました。ダイエットをすると、食事の量が減り、野菜の量もそれに合わせて減ってしまう傾向にあり、体の中では様々な弊害が起きてしまいます。
ダイエットする時には、「量を減らす」よりは「栄養のバランスを取る」ことが大事になりますよね。食べる内容を工夫することがダイエット成功のカギになるでしょう。
コメントを残す