便秘の症状でまさかの死亡も!? 腹痛や頭痛以外に注意すべきリスク

トイレに行ってもなかなか便が出ない、出ているのにすっきりしない、ガスがたまっておなかが張ってきた、苦しくて食欲が沸いてこない…。ひと言で便秘といっても、実にさまざまな症状がありますよね。

実はけっこう多くの方が便秘に悩んでいるという報告があります。厚生労働省の国民生活基礎調査(平成28年度)によりますと、人口1000人に対して、男性24.5人、女性45.7人が、便秘の自覚症状を訴えています。年齢が上がるごとにこの数値は上がっていき、80歳以上の男女で100人を超えます。平成25年度の調査と比較すると、数値が若干減ったものの、便秘が多くの人にとって問題であることが、こうした調査からもわかります。

それほど身近な症状である便秘ですが、「これが続いたらどんな症状が出てくるの?」、「死んでしまうことはあるの?」など、いろいろな疑問が沸いてきますよね。ここでは、便秘の一般的な症状についてご紹介します。

便秘ってどんな症状? 便の状態で何かわかるの?

実は、便秘の定義は曖昧だった!?

よく知られている便秘ですが、意外にもはっきりとした一定の定義がないことがわかります。

たとえば、日本消化器病学会の医学用語集には、「排便が数日に1回程度に減少し、排便間隔不規則で便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指しますが、明確な定義があるわけではありません」とあります。明確な定義がないと記されているんですね。

また、国際消化器病学会の定める機能性消化器疾患を診断する基準にも便秘の定義があります。こちらは少し複雑で、「強くいきむ排便が排便時の少なくとも25%、硬便が排便時の少なくとも25%、排便が1週間に3回未満など、これらの項目が2つ以上当てはまるなどの場合を便秘とする」とあります。

4回に1回程度は便が硬く、排便も3日に1回程度という状態なら便秘と言えるかもしれませんね。みなさんはいかがでしょうか。

便秘の症状は、「便が出ない」だけではない

便秘を定義するのが難しいことはわかりましたが、私たちは便秘の症状とはどんなものなのか、経験的に知っています。その多くが、「排便が少ない」「排便後に不快な感じになる」といった状態でしょう。

しかし、排便の回数には、個人差があると言われているのです。

たとえ排便の回数が週に3回以上あっても、「おなかがスッキリしない」、「まだ便が残っている」と感じることはあります。毎日のように排便がある人でも、「すっきりと出ることはたまにしかない」というケースもあるのです。また、それとは反対に、排便の回数が少なくても、便の状態が正常で、不快な症状などが見られないこともあります。これは便秘ではありません。つまり、「便が出ない」だけが便秘の症状ではないことを理解しておきましょう。

よい便と悪い便を見極めよう

 

それでは、「便の状態がよい」とはどういうことでしょうか。

快便です
よく言われるのが、「排便がスムーズで、においもきつくなく、黄土色のバナナのような形をした便」とされています。

その反対に「便の状態が悪い」とは?

  • 硬くてコロコロ
  • 細長い
  • 黒や赤っぽい色の便
  • においがきつい
  • おなかがすっきりしない

だれしも一度くらいは経験したことがあるのではないでしょうか。ちなみに、においがきついというのは、腸内環境が悪い証拠。腸内に悪玉菌が蔓延しているためです。一方、腸内に善玉菌が多いと、便もガスも臭くありません。便の状態で、腸内の様子までわかってしまうのですね。

便秘の症状でまさかの死亡も!? 腹痛や頭痛以外に注意すべきリスク

便秘によって表れる身体の異変。痙攣性便秘と弛緩性便秘とは?

便秘になると、腹痛ガスのほかにもさまざまな症状が現れます。たとえば、いきみすぎてになったり、出るべきものが出ずに体重増加することもあるでしょう。場合によっては頭痛胃痛胸焼け血便細い便が出るなど、その症状は実に多様です。

しかし、こうした症状に加えて、便の状態を見ると、医学的な症状がわかることもあります。

痙攣性便秘

便秘だと思ったいたら翌日は下痢になり、これを繰り返すようになる、おなかに強い痛みが走るという症状が出て、便の状態は硬く、コロコロした状態となったら、痙攣性便秘かもしれません。

痙攣性便秘とは、ストレスや自律神経の乱れなどが原因で、排泄の際の腸の蠕動(ぜんどう)運動に問題が生じます。通常、大腸の筋肉を動かすことで便を出そうとするこの運動が乱れ、けいれんしたような状態になってしまうのです。

弛緩性便秘

水分がなく、コロコロとした黒っぽい便が出る、排便後、おなかがすっきりとしない、ガスがたまる、肌が荒れるなどの症状が見られると、日本人に多いと言われる弛緩性便秘の可能性があります。

弛緩性便秘とは、高齢、妊娠、運動不足などによって筋肉が衰えることが原因。便を出そうとしても出にくくなってしまうほか、大腸を支えている腹筋が弱まり、大腸が下がってしまい、大腸の蠕動運動が正常に行われなくなります。

便秘が引き起こす恐ろしい病気。死亡することもある!?

便秘を侮ってはいけない! その便秘、大きな病気のサインかも?

「排便後にスッキリしない」、「肌荒れが気になる」くらいならいいですが、実はもっと大きな病気が潜んでいることもあります。というのは、病気が原因の便秘もあるのです。

たとえば、死亡原因の上位を占める大腸がんは……

  • 便に血が混じる
  • 排便をしてもすっきりとしない
  • 便が細い
  • 便秘と下痢を繰り返す

といった症状がよく見られます。また、急性腹膜炎では、便秘のほか発熱や嘔吐などの症状も出ることがあります。女性では、月経の量が増え、貧血ぎみになるなどの症状とともに便秘が続くと、子宮筋腫の可能性があります。更年期障害に似た症状も出るため、40代の女性は意識しておいたほうがいいでしょう。

世界を震撼させた便秘で死亡のニュース

数年前、かのエルビス・プレスリーの死亡原因は便秘だったというニュースが世界を走りました。さらに前にも、日本の20代の女性が、腸内に大量の便が貯まり、腸閉塞により亡くなるというニュースもありました。

便秘は放っておくと死に至ることもあります。数日ぐらいダイジョウブと高をくくらず、水分を多く摂り、食物繊維など便を促す食材を摂って便を促すなどの対策をしたほうが賢明です。

【まとめ】

実は、多くの方が便秘に悩んでいます。便秘の定義ははっきりとしませんが、排便の回数が少ないほか、週に3回以上が出るが排便後に不快な症状(残便感など)が出るのも便秘と言えるでしょう。

便秘がきっかけで死亡したケースはありますし、反対に大きな病気をきっかけに便秘になることもあります。「便秘が長期間に渡って、気になる」という人は医療期間で相談してみてはいかがでしょうか。

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