インフルエンザと聞いたらどのような症状を思い浮かべますか?
- 38度以上の高熱が出る
- 関節が痛くなる
- ひどい頭痛
- 身体がだるい
- 悪寒がする ――など
このような一般的な症状はご存知の人は多いでしょうが、実は「高熱が出ない」という場合もあるのです。インフルエンザを発症して高熱が出る割合は3割程度。残りは、熱が出ないケースが3割、無症状のインフルエンザも3割と言われています。
特に子供の場合は、身体に違和感があってもうまく伝えることができないので、急に症状が現れて悪化するケースは少なくないのです。ここでは、インフルエンザを見極める方法や絶対にやってはいけないことなどをご紹介します。
タイトル
熱がない場合は、どこでインフルエンザを見極めるの?
インフルエンザと風邪の大きな違いとは?

前述したようにインフルエンザの症状はいくつかありますが、「高熱が出る」のはいちばん分かりやすいポイントですよね。ただし、熱が出ない場合は、どこで見極めたらいいのでしょうか。
インフルエンザと風邪――。
症状の大きな違いは進行のスピードです。
風邪は、一般的には症状の進行がゆっくりしています。鼻水、咳、くしゃみなどの症状が出始め、すぐに「悪寒」を感じることは多くありません。関節痛などの症状もいきなり出ることはないでしょう。
一方のインフルエンザは、風邪のような鼻水、咳、くしゃみなどの初期症状はなく、突然に悪寒や関節痛といった身体の不調を感じます。ウイルスが体内に侵入してわりと早い段階で、「ぞくぞくする」、「身体が痛い」といった全身への強い症状が出るのが特徴的です。
もちろん個人の免疫力によって症状は異なりますが、症状の進行スピードや具合を確認することは、「インフルエンザかもしれない」という見極めのひとつになるでしょう。
子供の場合だと、本人に初期症状の有無を訊き、現在の具合(体調)を知ることが大切になります。
インフルエンザのA型、B型、C型ってどう違うの?

インフルエンザの型によって症状の現れ方が違うのはご存知でしょうか。
その時期に流行っている“型”が分かれば、インフルエンザかどうかを見極める確率もグッと上がるので抑えておきましょう。
A型インフルエンザのウイルスは、他の型よりも症状が激しく出やすいと言われています。つまりは高熱が出やすく、悪寒や関節痛もかなりしんどくなるでしょう。裏を返せば、インフルエンザの見極めは難しくありません。A型は感染力が非常に強く、大流行する危険性もあります。
ちなみに、A型のウイルスは形を変えて進化し続けるため、ワクチンが作りにくく、世界的に広がることがあります。インフルエンザのワクチンの当たり外れは、つくられたワクチンが標的とするウイルスが別のウイルスに進化するため効かなくなることによります。
人だけではなく鳥や豚、馬など他の動物にも感染するインフルエンザで、鳥インフルエンザも、A型インフルエンザのひとつです。
B型インフルエンザは高熱が出にくいと言われています。また、下痢や腹痛といった消化器系の症状が出ることが多いので、インフルエンザと気が付かないケースもあります。A型インフルエンザと比べれば流行しにくいと言われていますが、それでも感染力は強く、体内にウイルスが残る期間も長いので、周りに広めてしまう危険性は高いです。
ちなみに、A型インフルエンザと違い、人にしか感染しないインフルエンザです。
C型インフルエンザは風邪と間違えるくらい症状が軽いことで知られています。鼻水が出る程度ですので、普通の風邪と思い、インフルエンザと気づかない場合が多いと言われています。ほとんどの大人が免疫を持っているため感染しにくく、C型にかかるのは免疫を持っていない4歳以下の幼児がほとんどです。
また、A型とB型は季節性のインフルエンザですが、 C型は通年性です。感染力が弱く、流行することはほとんどないため、あまり心配する必要はありません。ちなみに、一度かかり免疫を獲得すると、免疫がほぼ一生持続するため、人生で2回以上かかることはほとんどありません。C型インフルエンザも、人にしか感染しないインフルエンザです。
「インフルエンザかも」という状況で絶対にやってはいけない事とは?

インフルエンザの疑いがある場合、しかも夜間で病院の診療時間が過ぎている場合など、「どうしよう」と心配になりますよね。高熱が出ていて苦しそうなら、「熱を下げてあげたい」と思うこともあるでしょう。
しかし、病院で受診する前に子供に解熱剤を使うのはとても危険です。理由は、インフルエンザの時にロキソニンやアスピリンといった解熱剤を子どもに使用するとインフルエンザ脳症の発症率が高まることが分かっているからです。
心配な時は、係りつけの医師に電話をして対処法を訊くのが得策。本人の判断で薬を投与するのは絶対にやめましょう。
食べ物や飲み物はどうする?

ゼリーなどののど越しの良いものや、おかゆやうどんなどの消化の良いものを食べるのがおすすめです。しかし、食欲がない場合や胃腸の動きが弱っている場合は、消化不良になる可能性もあるので、無理して食べる必要はありません。
また、脱水症状に注意するのが大切です。食欲がないときはスポーツドリンクなどでしっかり水分補給をしましょう。下痢や嘔吐などの症状がある場合は特に脱水に注意が必要です。
子供のインフルエンザ症状で熱が出ない場合の見極め方【まとめ】
インフルエンザは高熱が出ると思われがちですが、インフルエンザを発症しても高熱が出ない場合があります。特に子供は症状を伝えることができず、気づくのが遅れる場合があります。風邪との違いは、鼻水やセキといった初期症状をすっ飛ばしていきなり「悪寒」や「関節痛」に見舞われること。症状が進行するスピードに気を付けましょう。子供が急にぐったりした場合は、本人に初期症状の有無や現在の具合を訊き、早めに病院で受診することが重要です。
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