夏バテって具体的にはどんな症状? 暑さ対策に効果的な食事とは?

日本の夏はとにかく暑いですよね。気温も湿度も高いせいで、心も体もすっかり参ってしまいます。あまりの暑さに夏バテになって寝込んでしまう人も少なくないでしょう。

さて、夏バテと一口に言っても、実際にどんな症状が表れるのかご存知でしょうか。加えて、夏バテ対策に効果的な食事も知りたいですよね。ここでは、専門医が公開している情報をもとに、夏バテの主な症状と疾患、夏バテの原因について解説。さらに暑さに打ち勝つための食事についてもご紹介します。

夏バテの症状|意外と知られていない夏バテの事実

実際に「夏バテ」とはどのような状態をいうのかご存知でしょうか。自分自身や身近な人たちが夏バテになったことがなければ、意外と知らないものですよね。夏バテには様々な症状があり、それが引き金となって他の疾患を引き起こすこともあります。また、夏バテは身体的なものだけでなく、精神的な症状が現れることもあるといいます。

「夏バテ」って具体的にはどんな症状?

  • 全身の倦怠感
  • 食欲不振
  • 下痢や便秘などの消化器官の不調

代表的な症状としては「疲れが残る」、「体がだるい」といった全身の倦怠感です。最初は「仕事の疲れかな」と思っていたものが数日経ってもなかなか改善されず……というように、すぐに夏バテの症状を自覚できる人は少ないようです。「暑さのせいで食欲がなくなる」というのも夏バテの症状としては典型例と言えるでしょう。また、消化器官の不調も夏バテで表れやすい症例。暑いからといって冷たい物ばかり食べていると、胃腸の働きが悪くなって下痢や便秘が起こりやすくなります。

  • 立ちくらみ
  • めまい
  • むくみ
  • 微熱
  • 吐き気
  • イライラ
  • 無気力

これらの症状も夏場に表れたら要注意です。暑さのせいで全身がだるくなって、食欲がなくなると、自律神経が乱れてしまうことがあります。その結果、立ちくらみ、めまい、むくみ、微熱、吐き気といった症状が表れることも。また、イライラや無気力になるなどの精神的な症状も見られるようになります。夏場にどれかひとつでも当てはまったら、まずは夏バテを疑ってみましょう。

夏バテが引き起こす疾患。身心に悪影響を及ぼす!

「たかが夏バテ」と思って甘く見てはいけません。そのまま放っておくと、様々な疾患につながる可能性があります。

夏かぜなどの身体的疾患

夏バテになると免疫力が低下するため、夏かぜにかかりやすくなります。微熱が続いて倦怠感がある、のどに強い痛みがある、下痢をしやすいなどの特徴が見られます。また、多量の汗をかいて脱水症状になる危険性もあります。

うつ病などの精神的疾患

ストレスや精神的な疲労がたまると、夏バテからうつ病などの精神的な疾患を発症することもあります。夏バテの症状の中にはうつ病の初期症状と重なるものもあり、単なる夏バテだと思い込んでしまい、うつ病を見逃してしまうケースもあるといいます。

そもそも、なぜ夏場になると疲れる? 夏バテの3大原因

日本の夏は高温多湿です。この状態の中で生活していると、人は体調不良を起こしやすくなります。夏バテになってしまう原因は何なのか。見ていきたいと思います。

体内の水分とミネラルが不足する

強い日差しを長時間浴び続けていると、多量の汗とともに水分とミネラルも排出されます。そのため、体にとって必要な成分が不足し、脱水症状を引き起こしやすくなるのです。

食欲がなくなって栄養不足になる

暑さのせいで胃の消化機能が低下すると、食欲がなくなります。栄養の吸収が悪くなるため、体に必要な栄養素が不足し、体調不良を引き起こしてしまうのです。また、暑いからといって冷たい物を摂り過ぎると、体が冷えて胃腸の働きが低下してしまいます。

屋外と室内の温度差によって自律神経が乱れる

暑い屋外とエアコンが効いた室内の温度差が大きくなると、体温を調節する自律神経が対応できずに乱れてしまい、さまざまな症状が現れます。屋内と屋外の温度差は、5℃以内が望ましいといわれています。

暑さに打ち勝てる食事とは? やっぱりうなぎは効果的なの?

暑い日が続くと疲れがたまって胃腸の働きが低下し、食欲がなくなります。食欲が減退すると体に必要な栄養素が不足しがちになり、その結果、夏バテになってしまう、という話は先に述べたとおりです。では、夏バテを予防するためには、どんな食事を心がけたらよいのでしょうか。

夏バテ予防に効果的な3大栄養素

ビタミンB1

ビタミンB1は疲労を回復させるために欠かせない栄養素です。暑い夏はビタミンB1の消耗が激しくなり、それが不足すると、食事などから取り入れた栄養をエネルギーに変える力が低下してしまいます。ビタミンB1を多く含む食品として、豚肉、うなぎ、大豆、玄米、ほうれん草、ごまなどが挙げられます。ニンニクやニラなどに含まれるアリシンという成分をいっしょに摂ることで、ビタミンB1の吸収力がアップするといわれています。

水分・ミネラル

汗をかくと不足しがちになるのが、水分とミネラルです。水分が不足すると脱水症状を引き起こす可能性が高くなるので、食欲がないときでも水分はこまめに摂るようにしましょう。また、新鮮な野菜やフルーツをたっぷり食べることで、ミネラルを補給することができます。ミネラルに関する詳しい記事はこちらです。

クエン酸

クエン酸には疲労のもとになる乳酸を排出させる働きがあり、疲労回復の効果が期待できます。レモンやグレープフルーツ、梅干しなどにはクエン酸が豊富に含まれています。

夏バテ予防におすすめの食材、食べ物は?

栄養素的な観点からも「うなぎ」は夏バテ対策にもってこいの食べ物!

  1. ビタミンB1を含む食材(うなぎ、豚肉、鯛、ぶり、大豆、玄米、ほうれん草など)
  2. アリシンを含む食材(ニンニク、ニラ、ねぎ、玉ねぎなど)
  3. クエン酸を含む食材(レモン、グレープフルーツ、オレンジ、梅干しなど)
  4. ナイアシンを含む食材(豚レバー、たらこ、アジ、サバなど)
  5. ビタミンCを含む食材(トマト、ゴーヤー、アスパラガス、かぼちゃなどの夏野菜)
  6. ムチンを含む食材(納豆、やまいも、オクラなどのネバネバ食材)

その他、食欲がないときでも、料理に香辛料(わさび、こしょう、ニンニク、唐辛子、みょうが、しそ、カレー粉など)を使うと胃腸の働きが活発化し、食欲減退を改善できる場合があります。でも食べ過ぎると逆効果ですから注意してください。

もしも夏バテになってしまったら……

しっかり予防をしていても、夏バテになってしまうことはあります。そんなときは、以下の2つのポイントに注意して食事をとるようにしましょう。

食欲がなくても1日3食きちんと食べることが大切です。決してたくさん量を摂る必要はなく、質のよいものを少しずつ食べるようにしましょう。卵や肉、魚、牛乳などの良質のたんぱく質には、筋肉や持久力をつける働きがあり、野菜や果物に含まれるビタミン類には、体調を整える働きがあります。また、汗と一緒に排出される水分やミネラルを補給することも忘れないようにしてください。
暑いからといって、アイスクリームや清涼飲料水、炭酸飲料など冷たいものを摂り過ぎると、胃腸の働きを低下させてしまいます。夏になると冷たいそうめんを食べる機会が多くなりますが、こちらも食べ過ぎには注意です。また、アイスクリームやジュース類には砂糖がたくさん使われていますから、くれぐれも摂り過ぎには注意しましょう。

食事はあくまで体調回復の手助けをするためのものです。どうしても症状が改善しない場合は、すみやかに医療機関を受診し、専門家の指導を仰ぐのが賢明です。

夏バテの症状&食事に関するまとめ

夏の暑さがきっかけとなって起こる夏バテ。夏バテの症状には様々なものがあり、なかなか油断できないものだということがおわかりいただけたかと思います。

  • 全身の倦怠感、食欲不振、下痢や便秘などの消化器官の不調、立ちくらみ、めまい、むくみ、微熱、吐き気、イライラ、無気力

これらの症状が出たら「夏バテかも」と疑って、十分な休養や食事対策で身体の復調を目指したいもの。とはいえ、まずは夏バテにならないことが大事。食事対策などできることから始めて、暑い夏を乗り切りましょう。

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