小学生・中学生の頃、夏休みになると大量の宿題に追われたものですが、それと合わせて「自由研究」が課題として出されることがありましたよね。
私がやった自由研究で今でも覚えているのは、「朝顔の成長記録」と「夏休み中の天候記録」です。飽きっぽい性格なのでどちらも完璧には記録を付けられませんでしたが、枯れている朝顔を寂しい気持ちで描いていたことを覚えています。天候記録については、数日前の新聞を引っ張り出して天気をチェックしたような。いずれにしても楽しい思い出がありません。(苦笑)
やっぱり自由研究で重要なのは「自分に合ったテーマを決めること」ですよね。それほど興味がないと、筆者のように途中で記録を付けなくなったり、作る(育てる)のを途中で辞めてしまうことになりますので「楽しい」、「面白い」と思える自由研究に出会いたいですよね。
あれから30年近くが経ちますが、現在はどんな自由研究が人気なのでしょうか。調べると、虫取りや植物の観察は今でも“テッパン”ですが、自由研究のカタチは大きく変わっていました。
現在の小・中学生はどんなテーマの自由研究をしているのか――。
調査してみたい欲求にかられて、この記事を書きました。「自由研究のテーマ、どうしよう?」と悩んでいるお子さんや親御さんのお役に立てれば幸いです。
タイトル
小学生に人気のテーマ|子供とは思えない内容がズラリ

かつては、自由研究のテーマを決めるだけでも一苦労でしたよね。やりたいことが決まっている人はいいですが、筆者のようにやりたいことがあまりなかった少年にとってはかなり苦痛でした。
でもいまの時代は簡単ですよね。ネットで検索すればアイデアのひとつやふたつ簡単に見つかります。子供の自由研究のテーマを探そうとネットサーフィンしていたところ、ついつい自分が熱中してしまっていた――。近頃はそんな親御さんも多いと聞きます。
どうやって雲を作るの? 投影機も気になる!
小学生向けの自由研究のテーマを調べてみると、こんなランキングが見つかりました。なかなか面白そうなテーマがそろっています。
- 牛乳パックで貯金箱を作ろう
- 氷と塩でシャーベットを作ろう
- ペットボトルで雲を作ろう
- 一瞬で水を凍らせてみよう
- 日時計を作ろう
- 砂糖と塩の性質をしらべよう
- 投影機を作ろう~動画編~
- 木と水の関係を調べよう
- ペットボトルで方位磁針を作ろう
- ダンボールで竜巻を作ろう
たとえば、「ペットボトルで雲を作ろう」は、「えっ? どうやって?」という疑問が湧きますよね。ペットボトルの中に空と同じ環境を作り出して水蒸気を発生させる実験。雲が発生する理由を実験しながら勉強できるので人気が高いようです。飲料メーカーのサントリーの公式サイトで詳しいやり方が載っていますよ。
また、「投影機を作ろう~動画編~」というのはまさに今風の自由研究と言えます。ダンボール、虫眼鏡、カッター、ガムテープ等があれば作ることができるスマホのプロジェクターです。親子で楽しめる研究になるでしょうね。
小学生に人気なのは、全般的には「理科」と「図画工作」になるのでしょうか。実はこのランキング、未就学児~小学生を対象とした自由研究のテーマだそうで、ちょっと驚かされました。小学生以下の小さな子供さんでもこんな難しそうな作業をするのですね…。
中学生向け人気のテーマ|実験よりも社会学的なものが人気

世界各国の裁判員裁判、砂漠緑化技術……もはや大学生?
中学生向けのテーマはカテゴリーも幅広く展開されています。とくにベネッセや学研などの教育サイトが提案しているものは難易度の高いものが多く、実験よりも社会学的なテーマが目立っていました。中には大学生がゼミの研究テーマとして扱うようなものまであり、驚かされました。そのうちの一部をご紹介しておきます。
- 城を敵から守る工夫や歴史を調べる
- ウイルスとワクチンについて調べる
- 今と昔の教科書を比べる
- 黄身と白身の固まる温度を調べ、温泉卵をつくる
- 動物園でホニュウ類の目のつき方を調べる
- 世界各国の裁判員制度を調べる
- ヒートアイランド現象のしくみや影響を調べる
- 日本人ノーベル賞受賞者の研究を調べる
- 江戸時代のくらしについて調べる
- 住んでいる地域の議員について調べる
- 水から油を回収し、油流出事故について調べる
- 塩害の影響や被害の現状を調べる
- 電力使用量から二酸化炭素の出る量を調べる
- 生ごみでたい肥をつくり、有機農業について調べる
- 地名の由来を調べる
- 外国人観光客への取り組みを調べる
- 空中写真や地図から地域の変化を調べる
- インスタントラーメンから世界を調べる
- 世界の中学生を調べる
- 郵便切手から世界を調べる
- 地球温暖化をデータから探る
- 宇宙エレベーターを調べる
- 宇宙食を考える
- 砂漠緑化技術を調べる
- 住んでいる地域の地図から、地形の特徴と土地利用のようすを調べる
- 町のランドマークについて調べる
- 河川の流域環境を守り育てる取り組みを調べる
- 外国人観光客について調べる
- 身近なユニバーサルデザインを調べる
- 生き物生息マップ
宇宙エレベーターが気になる人は多いのでは(笑)。調べると地上と宇宙をエレベーターでつなぐ輸送機関で、現在は研究段階ですが「解決不能な課題はない」とのこと。気になる人は一般社団法人宇宙エレベーター協会の公式サイトをチェックしてみてくださいね。
他にも、私が見て面白そうだなあと思ったテーマをいくつかご紹介します。
- 身近な食材のビタミンC含有量を調べる
- ダンゴムシの迷路抜けの観察
- アリの帰巣本能の研究
- 野山の薬草を採集して漢方薬をつくって飲んでみる
- 蜘蛛の巣をくわしく観察して、糸で真似をして作る
- 自転車をバラバラに分解して、再度組み立ててみる
- 身近なもので楽器を作って、音程(ドレミファソラシド)を出してみる
- カラスの撃退法を研究する
- 自宅周辺の活断層を調べる
- 無回転シュートの研究
「野山の薬草を採集して漢方薬を作って飲んでみる」はかなり覚悟が必要でしょうね。「無回転シュート」はプロサッカー選手の本田圭佑さんの技術ですが、サッカー少年にとってはたまらない課題でしょう。どれも面白そうなものばかり。簡単ではないかもしれませんが、子供心で素直に楽しめそうな内容になっていますね。
社会科見学、手作り体験、野外学習も人気

これまでに挙げたものは「実験」、「観察」、「工作」が中心のテーマでしたが、もっと他にも色々なジャンルがあるので、ご紹介したいと思います。
社会科見学
社会科見学も自由研究のテーマとして認められますよね。具体的には工場見学や博物館見学などをすることが多いです。お菓子工場、造幣局、科学館、水族館などが例として挙げられます。神社やお寺、役所などの公共の施設を訪問するのもいいでしょう。
手作り体験
社会科見学と重複する部分もありますが、例えばお菓子工場に見学に行くと、お菓子の手作り体験をさせてもらえることもあります。パン工場なんかもそうですね。他に、京都の生八つ橋の工場で手作り体験ができる「おたべ体験道場」なんてのもあるみたいです。
野外体験学習
山や川、海辺でのアウトドア体験をテーマにするのもいいでしょう。バーベキュー、魚釣り、昆虫採集などが体験できるので、それをノートに記録して体験日記を作ることもできます。サファリパークや動物園といった施設でも興味深い事柄が思い浮かぶかもしれません。また、野外ではありませんが、キッザニアでの社会体験学習も自由研究のテーマになるかと思います。
見学や体験学習に行くときは、事前に予約が必要になる場合があるので、その施設のサイトなどを見て詳細を確認しておくことを忘れないでください。子供たちだけで行くのではなく、大人の方に同伴してもらったほうがいいでしょう。
また、必ず筆記用具とノートを忘れずに持っていきましょう。見学する施設によっては撮影OKの場所もあるので、カメラやビデオカメラを持っていくのもいいかと思います。そうやって記録した内容を、自由研究のレポートとして提出すれば完璧です。
まとめ
近頃の自由研究はすごく〝大人びて〟いますよね。インターネットで検索すればアイデアが簡単に見つかるわけですが、それらの多くは大人が考えたもの、もっと言えば、大人たちが自分でやってみたくて考えたアイデアかもしれません。しかし、それが決して悪いわけではありません。親に頼んでテーマを探してもらい、親子で一緒にひとつの作品を作り上げる。そんな親子の触れ合いの時間が作れるのであれば、ネット頼みの自由研究も捨てたもんじゃないなと思います。
ネットで簡単にテーマを見つけられるようになったおかげで、自由研究が子供たちにとって身近なものになり、すすんで取り組んでみたいと思えるものになっているのかもしれません。インターネットの普及がもたらした好効果のひとつといえるでしょう。
子供たちみんなが「楽しい!」、「面白い!」と思える自由研究に出会えることを願っています。
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