辛い物を食べ過ぎるとなぜ腹痛に? 知らなきゃ損する原因と治す方法

暑い夏には冷たいそうめん――。クーラーのきいた部屋でアイスクリーム――。

夏になると冷たい食べ物を欲する人は多いでしょうが、なかには「暑い夏だからこそ熱いものが食べたい! 辛い物が欲しくなる!」という人も少なくないでしょう。

筆者のかつての同僚がそうでした。猛暑日が続く中、昼休みになると毎日のように社員食堂でカレーライスを注文し、それに大量の七味唐辛子をふりかけて食べていました。額に玉のような汗を浮かべて「はふはふ」と言いながら激辛カレーを頬張る同僚を横目に、筆者は冷やし中華を食べていたのを思い出します。

また、別の知人はタイへ旅行に行った際、辛い物を食べすぎて腹痛になりました。下痢が治まらず、病院で診てもらったところ、胃の内壁がただれていたということがあります。

普段から辛い物を多く食べているメキシコでおこなわれた調査によると、唐辛子の摂取量と胃癌のリスクは比例するというデータも。

やっぱり、辛い物、刺激が強い物を食べ過ぎると腹痛になってしまうのでしょうか。ここでは辛い物を食べ過ぎると腹痛になるメカニズム、そして知って得する治す方法、予防法などをご紹介します。

辛い物を食べ過ぎると腹痛になるメカニズム

辛い物を食べ過ぎるとなぜ腹痛に? 

さて、唐辛子や香辛料などの辛い物を食べ過ぎると腹痛を起こすのはなぜか?

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じつは「胃酸」が関係しています。何らかの理由で胃酸の分泌量が増えると、胃や食道を痛めることがあります。唐辛子には、少量であれば胃酸の分泌を抑え、食欲を増進させる効果があると言われていますが、食べ過ぎると逆に胃酸の分泌を促進してしまい、結果、胃や食道を痛めてしまうことがあるというのです。

「ストレスで胃が痛くなった」という話を聞きますが、これも胃酸が多量に分泌されている状態ですから、ストレス発散のために辛い物をドカ食いすることは明らかに無謀と言えるでしょう。

味覚に分類されない「辛味」は、実は〇〇だった!

人間の味覚は大きく5つに分類されます。

  1. 苦味
  2. 酸味
  3. 旨味
  4. 甘味
  5. 塩味

つまり、「辛味」というものは存在しないのです。私たちが辛い物を食べて「辛い」と感じるのはじつは「痛み」なのです。口内炎ができたときに痛いと感じるように、口の中には痛みを感じる神経がたくさんあり、辛い物を食べたとき、その痛みの感覚を「味覚」と錯覚してしまっているだけなのです。そう考えると、辛い物を食べてお腹が痛くなるという現象も、なかば当然のことのようにも思えます。

辛い物と一緒に口にしないほうがいいものとは?

辛い物を食べても、少しくらいの腹痛ならすぐに治まりますから、それほど気にならないでしょう。しかし、いつまでも下痢が続く、胃腸の痛みが治まらないという場合があります。中にはお尻までヒリヒリするといった症状を訴える人もいるようです。そんな強い症状を訴える人の多くは、唐辛子などの辛い物と合わせて、脂っこいものやアルコール類を摂取しているものです。

唐辛子の辛み成分であるカプサイシンが脂溶性であるため、油やアルコール類とうまく溶け合って、口から肛門に至る消化器官全体に行き渡ってしまいます。その結果、口内炎ができたり、胃腸が痛くなったり、お尻までヒリヒリしたりするわけです。ときには肛門の炎症がもとで痔になる人もいるそうです。

辛い物と脂っこいもの、アルコール類というのはセットみたいなイメージを持ってしまいがちですが、体のことを考えると、じつは良くない組み合わせだということなのです。

知らなきゃ損する効果的な予防法と治す方法

体に良くないとはわかっていてもやめられない――。やっぱり辛い物が好き――。辛い物を食べるとテンションが上がる――。そんな人のために、辛い物で胃腸が痛くならないための効果的な予防法や、なってしまったときの対処法をご紹介したいと思います。

水よりヨーグルトのほうが効果的

水を飲んでも辛さやヒリヒリ感が治まらないことがよくあります。これは、唐辛子に含まれるカプサイシンが水に溶けにくい性質を持っているからです。

そこで効果的なのがカゼインを豊富に含む乳製品です。激辛料理を食べる前や食べている途中にヨーグルト、牛乳、チーズといった乳製品を摂取してみましょう。カプサイシンによる刺激をやわらげてくれる可能性大です。

緑茶やコーヒー、ワインでも効果あり

乳製品は苦手。牛乳を飲むと下痢をする。そういう方も少なからずいらっしゃいます。

そんな場合は、緑茶やコーヒー、ワインを試してみてはいかがでしょうか。タンニンを含む飲み物には整腸作用があると言われています。乳製品のようにカプサイシンによる刺激をやわらげてくれる効果はありませんが、胃腸環境を整えて、辛さによる影響を多少は軽減してくれると思います。

また、お酢やレモン、ライムなどの酸味は、辛さをやわらげてくれます。

お腹が痛くなった時の対処法

実際にお腹が痛くなってしまったときは、それに見合った処置をするしかありません。

市販の胃腸薬や整腸剤を服用し、合わせて消化の良いものを食べるようにしましょう。

  • おかゆ
  • 豆腐
  • 温野菜
  • 卵料理
  • 白身魚
  • 脂身の少ない肉料理

これらが一般的には良いと言われているメニューです。

他に、整腸作用のあるリンゴを食べるのもいいでしょう。

辛い物を食べてお腹をこわしたとしても、普通はそれほど心配ありません。下痢も1~2日ほどで治まります。それでも症状が改善されない場合は、すみやかに医療機関を受診するのが賢明です。

まとめ

辛い物って「後を引く美味しさ」がありますが、体に負担のかかるものを多く食べていると、健康被害のリスクもそれなりに大きくなるでしょう。ですが前もって効果的な予防法や対処法を知っておけば、リスクは軽減されるかもしれません。この記事の内容が少しでもお役に立てばと願っております。

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