お酒とコレステロールの関係|健康効果が期待できるアルコールは?

お酒、アルコールは好きだけれど、コレステロール値が気になって「なにを飲もうか」と気になることってありますよね。「アルコールは肝臓に悪い」ということは周知の事実でも、「アルコールとコレステロールとの関係」を明快に答えられる人は少ないのではないでしょうか?

ここでは、そんな両者の関係について詳しくご紹介します。

お酒を飲み過ぎるとコレステロール値は上昇するの? コレステロールを気にしている人は、なにを飲んだらいいの?  こんな素朴な疑問を持っている人は必見です。

お酒(アルコール)とコレステロールの関係とは!?

そもそもアルコールには栄養価があるの?

「アルコールの飲み過ぎは体に悪い」というのは広く知れ渡った事実ですが、アルコールの具体的な栄養価を知っている人は、そう多くはないのでは?

というのも、ふつうはお酒を選ぶときに、アルコールの種類(ビール、焼酎、日本酒など)や度数の確認はしても、「どんな栄養価があるのか」までは気にしませんからね。

いろいろと調べてみると、アルコールの種類によっては身体に好影響を与える栄養素が含まれていることが分かります。

たとえば赤ワインには、「糖質と脂質の代謝に働くクロム」をはじめ、「ナトリウムによる血圧の上昇を抑えるカリウム」や「骨の形成に関わるマンガン」などが含まれています。

ビールには「たんぱく質」のほか、「豊富なビタミンB群」や「筋肉の収縮や血液の流れを良くするマグネシウム」などが含まれています。ウイスキーにも、「抗酸化作用や老化防止などで知られるエラグ酸などのポリフェノール」が含まれていると言われています。

身近なお酒にも身体に良い栄養素が含まれていることが分かりました。

アルコールを飲むとコレステロールにどう影響するの?

それでは本題のお酒(アルコール)とコレステロールの関係に入りますが、この両者は無関係ではありません。アルコールはコレステロールに影響を及ぼすと言えますが、これは肝臓の働きによるものが大きいでしょう。

アルコールを摂取すると、腸や胃で吸収されながら、肝臓にたどり着きます。アルコールは肝臓でさまざまな酵素で分解され、頭痛、悪酔いなどの原因となるアセトアルデヒドという成分に変わります。

さらに、このアセトアルデヒドは酢酸へと分解され、血液によって全身に運ばれ、水と二酸化炭素に分解されると、尿、汗などに含まれて体外へ排出されます。

つまり、アルコールを摂取すると肝臓はいつも以上に働くことになり、お酒の量が増えればそのぶんアルコールの分解作業は忙しくなります。負担を強いられる一方で、肝臓は糖分の調整、コレステロールや脂肪酸の代謝など、多くの働きを担っています。

したがって、アルコールを大量に飲み続けると、「肝臓に中性脂肪がたまる」、「コレステロール値が上がる」といった状況を招き、結果的に「肝臓に中性脂肪が蓄積した状態となる脂肪肝」や「肝臓の組織が硬くなる肝硬変」などの病気などを引き起こすことになるわけです。

「アルコールによって肝臓の機能を低下させ、結果としてコレステロールに影響をおよぼす」ということが言えるでしょう。

アルコールによる健康効果。「少量は体に良い」と言われる理由とは!?

大量に飲むと身体を壊してしまうアルコールですが、「少量のアルコールは体に良い」とも言われていますよね。

この理由、メカニズムを簡単に言えば「アルコールの力で代謝が進み、同時にコレステロールも代謝される」ということです。

コレステロールには善玉HDLコレステロールと悪玉LDLコレステロールがあり、アルコールを摂取すると善玉HDLコレステロールが増加します。このため、動脈硬化をはじめとする生活習慣病を予防する効果が明らかになっています。

また、ストレス解消や食欲増進にもつながり、これが「酒は百薬の長」、「少量のアルコールは体にいい」と言われるゆえんです。

気になるのは、「少量とは、どれくらい?」ということですよね。

厚生労働省が提唱する「節度ある適度な飲酒量」は純アルコール20g程度

  • ビール 中びん1本程度
  • 日本酒 1合
  • ワイン 4分の1本
  • ウイスキー ダブル1杯程度

これが「少量」の目安です。覚えておいて損はないでしょう。

コレステロールを気にしないで飲めるお酒、アルコールはどれ?

アルコールによってコレステロールが下がる仕組みとは

コレステロール値を下げる働きをする成分に、ポリフェノールがあります。

ポリフェノールとは

植物が光合成を行う際に作られる物質で、苦み、渋み、色素などに含まれている成分です。植物が生きていく上で、害虫からの攻撃、紫外線や光合成などによって発生する活性酸素から身を守る働きをします。

「ポリフェノールが身体に良い」と言われる理由は、コレステロール値を下げるだけではなく、発生しすぎた活性酸素から身を守る抗酸化作用があるからです。

活性酸素は、体を守るために必要な物質で、細菌やウイルスを攻撃するために人間の体内に存在します。ただ、活性酸素が増えすぎると、体内を攻撃するようになるため、体の老化、生活習慣病の原因となると考えられています。

コレステロールを下げるアルコール

以上のように、ポリフェノールが含まれたアルコールにはコレステロール値を下げる効果が期待できます。

ワインはポリフェノールが多く含まれていることで知られていますが、ポリフェノールが含まれているお酒はワインだけではありません。

健康効果があると言われるお酒

  • ワイン/ポリフェノールを含有しています
  • たる酒の日本酒/フェルラ酸というポリフェノールが含まれています
  • ビール/キサントフモールというポリフェノールの一種のフラボノイドが含まれています。キサントフモールは善玉HDLコレステロール値を上昇させる効果があることが分かっています
  • 芋焼酎/ポリフェノールではありませんが、芋焼酎にはウロキナーゼというたんぱく質分解酵素が含まれ、血液凝固を阻止し、血液をサラサラにする働きがあると言われています。この結果、血液が安定することでコレステロール値も下がってくる可能性があります

このように、アルコールに含まれる成分によって、コレステロール値を下げる効果が期待できるものもあります。繰り返しますが少量であることが条件ですので、体にいいからと言って大量に飲むのはやめましょう。

【まとめ】

コレステロールとアルコールの関係性は良好と言えるのではないでしょうか? もちろん摂取量を「少量」に控えての話ですが、大量のアルコールを摂取すると肝臓に負担がかかり、その結果、コレステロール値に問題が生じる可能性があることを理解しておきましょう。

一部では、「アルコールはコレステロール値に悪影響を与えるのでは?」と心配している人もいるようですが、原因はビール、ウイスキー、日本酒、ワインといったアルコールの種類ではありません。

「アルコールの量」こそがコレステロールに影響があることを忘れないでおきたいものです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアしてくれると嬉しいです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です