睡眠障害で「寝すぎる」メカニズムとは…|あなたはどのタイプ?

眠りたいのに眠れない、眠っているのに十分な眠りができない、目が覚めてしまったら眠れなくなってしまった…など、不眠症をひとつ取り上げても、さまざまな症状があることが分かりました。

ところが、不眠症は睡眠障害のひとつのタイプにか過ぎません。皆さんは「不眠症」以外に、どんなタイプの睡眠障害があるかご存知でしょうか。ここでは様々なタイプの睡眠障害の原因や治療法などを深掘りしました!

01|十分に眠っているのにまだ眠たい……のは「過眠症」かも

過眠症は10代で発症することが多い

過眠症とは、夜間にしっかりと眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気に襲われ、起きていることに支障をきたす症状のこと。単純に陽気が良いので「寝過ぎてしまう」や「寝すぎて起きられない」というのではなく、季節や疲労などに関係がない“疾患”ということを理解しておきましょう。

過眠症の主なタイプ

  • ナルコレプシー
  • 特発性過眠症
  • 反復性過眠症

ナルコレプシーは、日中に強い眠気に襲われる睡眠障害で、笑いや怒りなどの感情によって誘因さることもあります。人によっては幻覚症状を発症することもあり、悪夢に襲われることも。特発性過眠症とは、持続的あるいは反復的に日中、強い眠気に襲われる症状です。

反復性過眠症は、一日のほとんどを眠ってしまうという睡眠障害。1週間前後にわたって長時間睡眠が続くと、一般的な睡眠時間に戻り、ふたたび長時間睡眠に陥るという周期を繰り返します。

日本人の羅患率が高いというデータも。対策は?

原因はよくわかっていませんが、ナルコレプシーは日本人の罹患率が高いというデータがあります。もしも日中に強い眠気に襲われるなどの症状が確認できた場合、ケガや事故などにつながることもあるので、医療機関に相談することをオススメします。

過眠症の完治は難しいと言われていますが、規則正しい生活を心がけ、夜間に睡眠を取るようにすることで、症状を和らげることができます。

02|体内時計が乱れ、眠りに障害が起こる「概日リズム睡眠障害」とは?

症状によってタイプが違う「概日リズム睡眠障害」

概日リズム睡眠障害とは、いわゆる体内時計が何らかの原因でずれてしまい、睡眠に障害が出てしまう症状。さまざまなタイプに分かれます。

概日リズム睡眠障害の主なタイプ

  • 睡眠相後退型
  • 睡眠相前進型
  • 不規則睡眠・覚醒型
  • 時差型
  • 交代勤務型

睡眠相後退型は、徹夜や夜更かしが続いたことで「夜に眠る」という習慣が戻らなくなるタイプ。寝る時間が早くなる高齢者に多いタイプが睡眠相前進型です。

長期間に及ぶ病気療養などのため、昼と夜の時間が不規則になってしまう不規則睡眠・覚醒型。海外旅行などによる時差ボケが主な原因となる時差型。日勤から夜勤など、勤務時間帯に変更がある職業によって体内時計が乱れてしまう交代勤務型などがあります。

概日リズム睡眠障害の改善法とは?

朝、太陽の光を浴びることで、体が朝であることを確認します。そして、その情報が脳に伝わり、眠りを誘うメラトニンが分泌され、睡眠と覚醒のリズムが戻っていきます。

つまり、概日リズム睡眠障害は、乱れている体内時計を元に戻すことが最大の治療になります。

03|いつのまにか呼吸が止まる!? 「睡眠時無呼吸症候群」は命の危険も

「睡眠時無呼吸症候群」は、どんな人がなりやすいの?

無呼吸とは10秒以上呼吸気流が止まる状態のこと。呼吸が止まりそうな呼吸の弱い状態のことを低呼吸と呼び、睡眠1時間あたりの無呼吸や低呼吸の回数が5回以上あると、「睡眠時無呼吸症候群」と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群の大半が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群で、軌道がふさがり、呼吸が止まってしまうタイプに分類されます。

どんなタイプの人がなりやすいの?

  • 肥満体型
  • アゴが小さい
  • アレルギー体質で鼻づまりになりやすい人

男性では30~60代、女性では更年期以降が多い傾向にあります。

睡眠中に起こる典型的な症状がいびき。また、朝の目覚めが悪く、日中に強い眠気が起こります。合併症のリスクが大きく、高血圧、心筋梗塞などの生活習慣病、糖尿病などを引き起こす可能性があります。

治療は専門の医療機関も特効薬はなし!?

睡眠時無呼吸症候群の治療は、専門の医療機関で受けます。さまざまな診療科で診療されていますが、医療機関によって睡眠障害の専門外来があります。

現在、これといった特効薬はなく、呼吸療法などで治療をしていきます。自宅でできるケアとして、生活習慣の改善、肥満の解消など。寝酒や喫煙を控えることも大切です。

04|足が不快で眠れない!? 「むずむず脚症候群」とは?

むずむず脚症候群の症状とは?

足の不快な感覚には様々あります。

  • ほてる
  • 虫が這う
  • かゆい
  • むずむずするなど

その感覚は足の奥の方から生じ、足を動かしたいという欲求にかられます。じっとしているときに症状が現れ、足を動かすことで症状が軽くなります。夕方から夜にかけて、症状が強まり、睡眠時に現れやすいため、不眠症の原因となります。

日常生活レベルでの改善で症状が軽くなることも

症状が現れたら、医療機関で検査をします。むずむず脚症候群と診断されたら、医療機関での治療と同時に、適度な運動、食生活の見直し、カフェインを含む飲料やアルコール、たばこなどを控え、鉄分を摂り入れます。

改善策には、筋肉のマッサージを取り入れるのも効果的でしょう。

05|その他、「周期性四肢運動障害」や「睡眠時随伴症」

「周期性四肢運動障害」は高齢者に多い

周期性四肢運動障害は、睡眠中に自分の意志ではなく勝手に足が動いてしまいます。おもに足に起こりますが、腕、ひじ、顔、おなかのあたりで起こることも。持続時間は数秒であるものの、周期的に繰り返し起こるため、不眠症に陥ってしまいます。

十分に眠れないため、日中に強い眠気を感じるようになります。周期性四肢運動障害は、高齢者に多く、むずむず脚症候群の患者で生じることが多いと言われています。

薬による治療と日常生活の改善で症状は改善する

専門の医療機関では、むずむず脚症候群と同じように、薬物による治療が行われます。多くの場合、薬物療法で症状は改善するそうです。

カフェインの摂取を控え、ストレスをためないようにするなど、日常生活を改善することで、症状が改善していきます。日中、過度な眠気が生じたら、少し休むようにしましょう。

悪夢で起きるのも睡眠障害!?「睡眠時随伴症」とは?

睡眠時随伴症とは、学童期に見られる夢遊病や夜驚症、悪夢や夢の中で大声を上げてしゃべったり、体を動かしたりする症状の総称です。学童期に見られる夢遊病や夜驚症は、青年期までに自然に症状が消えることが多く、とくに専門的な治療がない場合も。

大人の場合、発症するのは60歳以上の男性に多く、睡眠中に大声を上げる、腕を振り回すなどの行動も現れます。

症状が悪化するだけではなく、パーキンソン病などに発展することもあるため、早期診断と治療が必要です。

【まとめ】

睡眠障害と一口に言っても、種類の多さに驚きですよね。原因や症状も様々だということが分かりました。睡眠障害は、ある日突然に発症することもありますので、これらの事を知識として知っていれば、素早い対応が取れるかもしれません。それがまさに対策、改善への近道となるでしょう。

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