不眠症の症状で注意したい頭痛や自律神経失調症に潜む怖い病気とは?

不眠や寝不足が続くと、さまざまな症状が現れます。頭痛、肩こり、吐き気、集中力の低下…など、日常生活に支障をきたしている人も少なくないでしょう。

しかし、こうした症状の陰に大きな病気が潜んでいたら怖いですよね。世界的には不眠が原因で死亡した例もありますし、「眠れない」ことを甘くみてはいけません。

ここでは不眠症の典型的な症状と言える「頭痛」と「自律神経失調症」についてご紹介します。大きな病気に発展するリスクもありますので、不眠や頭痛に悩んでいる人はチェックしておきましょう。

不眠症の典型的な症状|頭痛と自律神経失調症

不眠症の症状で最も多いのが頭痛!?

睡眠不足が慢性化すると、自律神経が乱れて日々の健康が損なわれていきます。ちなみに、自律神経とは自分の意志とは関係なく働く神経のこと。睡眠をはじめ、心臓や内臓などもコントロールしています。

不眠症になると自律神経が制御できなくなり片頭痛、緊張型頭痛、睡眠時頭痛といった「頭痛」につながっていくと考えられています。不眠症の症状では最も多いと言われ、大半の不眠症患者に現れると言っていいでしょう。

片頭痛は、脳の血管が広がって神経を圧迫することで起こる症状。ズキズキする頭痛がそれです。緊張型頭痛は、脳のストレスや体の緊張が原因で起こる頭痛。睡眠時頭痛とは、睡眠時間になると耐えられない頭痛が続く症状です。

これらの頭痛が現れたらまずは不眠症を疑ってもいいですが、肩こりや目の疲れをはじめ、脳卒中や高血圧といった大きな病気が潜んでいる可能性もありますので、油断は禁物です。

いきなり神経科(不眠やうつ病など)や心療内科(ストレスからくる胃潰瘍など)に行くよりは、まずは内科や脳神経外科で健康診断を受けるのが先決でしょう。体全体の状態を診てもらうのが得策と言えます。

自律神経とは? 不眠の先にある自律神経失調症とは?

不眠から併発する身体の異変ですが、「頭痛」の次に多いのが「自律神経失調症」ではないでしょうか。

自律神経には交感神経と副交感神経があります。体や脳を動かす神経が交感神経、体を休ませ回復する神経が副交感神経です。日中は、交感神経が働くため、脳や体が活発になりますが、夜になると副交感神経が働くため、眠たくなり、体を休ませます。このバランスによって、自律神経は働いています。

たとえば、昼夜が逆転した生活を送っている人や、日勤と夜勤がシフトによってまちまちの人など、交感神経と副交感神経のバランスが乱れやすい人が発症しやすいのも納得できますよね。

ちなみに、自律神経失調症は4つのタイプがあります。

  1. 本態性自律神経失調症/体質的なことが原因で自律神経が乱れてしまう
  2. 神経症型自律神経失調症/感受性が強く、少しの体調の変化で左右される
  3. 心身症型自律神経失調症/日常的なストレスを溜めやすい。このタイプがほとんど
  4. 抑うつ型自律神経失調症/心身症型の進行形。長期間に渡って発症が続く

もちろん、自律神経失調症は不眠だけが原因ではありません。先述したように、生活リズムの乱れ、日々のストレス、環境の変化などでも現れますので、いろいろな原因があることを知っておくべきでしょう。

また、自律神経失調症のおもな症状は、頭痛、めまい、慢性的な疲労、だるい、動悸、ほてり、便秘などが挙げられますが、うつ病やパニック障害に発展してしまうこともあります。精神障害は一度かかってしまうと、立ち直るのに相当な労力と時間を使いますので、早い段階で症状に気が付けるようにしたいものです。

自律神経失調症の疑いがある場合も、病院を受診するなら、まずは内科や脳神経外科で健康診断を受けるのが得策。体全体の状態を診てもらい、問題なければ神経科(不眠やうつ病など)や心療内科(ストレスからくる胃潰瘍など)を選択してはいかがでしょうか。

不眠症と睡眠障害の関係とは!? 不眠で死ぬことはあるの?

不眠で死ぬ!? 致死性家族性不眠症という怖い病気

不眠が原因で命を落とすことはあります。

致死性家族性不眠症(FFI)という病気です。これは、プリオン病と呼ばれる難病のひとつで、家系的に発生します。ただ、めずらしい病気で、この遺伝子を受け継いでいる家系は世界でもわずか、日本には数家系しかないと言われています。この家系に生まれても、発病しない人もいます。

初期症状としては軽い不眠症、やる気の低下などがあげられ、次第に体全体に症状が現れてきます。病気が進行するにつれ、日中に睡魔に襲われ、幻覚が見えるようになることも。最終的にはやせ衰え、寝たきりになり、亡くなってしまいます。発病後、2年以内で死亡するケースが多いと言われています。

不眠のギネス記録に挑戦し、目の焦点が合わなくなった!?

世界中の記録を認定するギネスワールドレコーズ。通称ギネスブックにおいては、睡眠に関連する記録がありました。不眠記録は264時間――。日数にすると約11日間です。

1964年にアメリカ人が達成した記録で、世界中で多くの人がこの記録に挑戦しましたが破られることはなく、後に記録そのものが削除されることに。

理由は、「不眠が健康を損ねる」ということが認識されたからです。事実、当時の世界記録を持っていたアメリカ人は、命には別状はなかったものの、不眠によって「目の焦点が合わなくなる」、「ネガティブになる」、「指が震える」など、さまざまな症状が現れたそうです。

あらためて、睡眠が人間の健康において非常に重要であることを忘れてはいけませんね。

不眠症は睡眠障害のひとつ。7つに大別される睡眠障害

これまで「不眠症」という言葉を使ってきましたが、「睡眠障害」という言葉もなじみ深いでしょう。

簡単に説明すると、睡眠障害のなかに「不眠症」というカテゴリーがあります。睡眠障害の定義は、「人や動物における睡眠の規則における医学的な障害」で、代表的な睡眠障害が下記の7つに分けられます。

  1. 不眠症:上記参照
  2. 過眠症:十分に睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる症状。
  3. 概日(がいじつ)リズム睡眠障害:昼夜のサイクルと体内時計のリズムがずれてしまったことによって、十分な睡眠を取ることができず、社会生活に困難をきたす症状。
  4. 睡眠関連呼吸障害:睡眠中に異常な呼吸をする病態。睡眠中に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群などが代表例。
  5. 睡眠時随伴症:睡眠時に起こる異常行動の総称。夢遊病、夜尿症など。
  6. 睡眠関連運動障害:睡眠中に手足の筋肉がけいれんすることで眠れなくなる症状。むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害など。
  7. その他の睡眠障害:上記以外の症状によって眠れない状態のこと。

不眠症の症状【まとめ】

不眠症の症状には、頭痛や自律神経失調症など日常生活に支障をきたすものがあります。また、不眠症によって死亡するケースもまれにあり、ギネスブックの「不眠記録」が抹消されました。

不眠症は睡眠障害の一種でほかにも過眠症、概日リズム睡眠障害など、さまざまな障害がありますが、不眠で悩んでいる人の数は年々増えていると言われています。改善してすこしでも心地いい生活を送りたいですよね。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアしてくれると嬉しいです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です