便秘薬/酸化マグネシウムの驚くべき効果&意外と怖い副作用とは?

便秘薬としてよく知られている酸化マグネシウム。病院で処方されるかなりポピュラーな部類の便秘薬ですが、厚生労働省が酸化マグネシウムによる高マグネシウム血症についての安全性情報を発表しました。安易に服用するのはちょっと心配になるニュースですが、実際のところ、「酸化マグネシウムはどんな薬なの?」と飲んでいるわりにはあまり知られていないのが実状でしょう。

ここでは、酸化マグネシウムの基本的な作用をはじめ、効果や副作用についてご紹介します。

便秘薬の酸化マグネシウムによる効果は便秘のほかにもあった!?

酸化マグネシウムのあまり知られていない「緩下作用」と「制酸作用」の効果

酸化マグネシウムは便秘薬として知られています。これは、酸化マグネシウムによる緩下作用(かんげさよう)のおかげです。

緩下作用とは排便を促すこと。腸内でさまざまな作用を起こし、水分が移動する働きを促がします。その結果、便に水分が含まれ、便が柔らかくなり、排便を促すことに繋がるのです。

酸化マグネシウムにはこの作用があるので、便秘の解決策として処方されるのです。

一方、酸化マグネシウムには制酸作用(せいさんさよう)もあります。

制酸作用とは、胃の中の胃酸を中和すること。胃の粘膜が弱っていると、胃の中が胃酸によって刺激を受けてしまい、胃潰瘍などの症状が起きます。その際、酸化マグネシウムの制酸作用によって、胃酸を中和して症状を和らげるのです。

近年はこのケースで処方されることは少ないようですが、酸化マグネシウムは便秘オンリーの薬ではないということを知っておきましょう。

酸化マグネシウムは長期的に利用できる安全な便秘薬!?

酸化マグネシウムは、便が硬くなったところに、水分の量を増やすことで排便を促してくれる便秘薬です。ゆえに、腸の中の水分量を調整する作用のため、体への負担が少ないと言われています。

また、酸化マグネシウムは、使い続けると耐性が生じてしまい、効果がなくなるということはありません。ほかの多くの便秘薬は、大腸に働きかけることで腸の蠕動運動を強制的に活発にさせるため、大腸は外からの刺激がないと蠕動運動を起こさなくなってしまうという問題があります。

つまり、「長期的に服用しても安心」と言える便秘薬です。

酸化マグネシウムの即効性は? 効果的な飲み方は?

酸化マグネシウムに即効性は期待しないほうがいいでしょう。

通常、服用してから8~10時間後に効果が現れますので、「すぐに出したい!」という人には不向きです。もちろん便秘の状態や体質によって個人差はありますが、下剤のような感覚ではないことは明らかです。

また、酸化マグネシウムの効果を最大限発揮させるには、水分を多く摂ることが大切です。酸化マグネシウムを飲む時だけではなく、食事中や食間にもいつもより水分量を増やすことで腸内の水分が確保できます。

腸内に水分を与えて便を少しでも柔らかくしましょう。

死亡例もあった!? 便秘薬酸化マグネシウムによる副作用は?

酸化マグネシウムを飲んでも効かないのはなぜ? 弛緩性便秘と緊張性便秘を知る

なかには、「酸化マグネシウムを服用したのに効果が見られない」という人もいるでしょう。ちなみに、筆者はこれまで何度か病院(内科や脳神経外科など)で処方されていますが、便秘は解消できませんでした。そんな私にも当てはまることですが、実は便秘の種類によっては、「酸化マグネシウムが効きやすいお通じ」と「効きにくいお通じ」があるのです。

酸化マグネシウムが最大限の効果を発揮するのは、腸の筋肉が緩んでくることで、腸の蠕動運動が鈍くなることによる弛援性便秘が挙げられます。腸に水分を集めることで排便を促進できる便秘には効果があるということ。

ところが、ストレスなどによって自律神経が乱れ、大腸が正常に働かなくなる痙攣性便秘などでは、酸化マグネシウムは効果を発揮しません。また、腸内環境が悪化したことによる便秘などでも、あまり効果が見られないようです。

ですから、「10日飲んでも効果が出ない」という場合は服用しないのがベター。医療機関に相談することをオススメします。

酸化マグネシウムと相性の悪い飲み物はある?

薬の使用上の注意にも書かれていますが、酸化マグネシウムと大量の牛乳を一緒に飲むのはNGです。理由は高カルシウム血症が起こるからです。

高カルシウム血症とは、血液中のカルシウムの濃度が高くなった状態のことを言います。カルシウムは、体内で筋肉の収縮をスムーズにしたり、血液を凝固させたり、神経の興奮を鎮めたり、精神を安定させたりと、さまざまな働きをします。このため、カルシウムの濃度に異常が現れると、体調にも異常が現れます。

軽度の症状では、疲れやすい、食欲不振、だるい、吐き気といったものですが、重篤になると意識障害やじん不全などが起こることもあるので注意が必要です。

大量の牛乳――とひと言で言っても、なかなか量の判断が難しく、医薬品メーカーからも正確な数量が出ていません。参考までに厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」を見てみると、30~49歳の男女のカルシウム摂取の推奨量が一日650mgとあります。牛乳1リットルにだいたい1g(1,000㎎)ほどのカルシウムが含まれていると計算すると、半パック(500ml)の牛乳だったら大丈夫そうと推測できますね。

酸化マグネシウムで死亡例があるって本当?

安全だと言われる酸化マグネシウムは、1950年より便秘薬や制酸剤として使われていますが、実は死亡例もあるのです。高マグネシウム血症を引き起こす可能性があります。2015年12月、厚生労働省が発表している医薬品・医療機器等安全性情報にて、使用上の注意喚起が呼びかけられました。

高マグネシウム血症とは、血液中のマグネシウムの濃度が高くなってしまう状態のこと。症状としては、だるい、倦怠感、筋肉に違和感があるなどの症状から、心拍数や血圧の低下、意識障害、呼吸抑制、心停止など、重篤な症状が現れることもあります。

服用の際、とくに長期にわたる場合などは、定期的に血清マグネシウム値を測定するなど、高マグネシウム血症にならないように注意する必要があります。また、服用後に高マグネシウム血症の症状が現れたら、服用をやめてすぐに医療機関に相談しましょう。酸化マグネシウムそのものはもちろん安全ですが、これらの副作用がありますので油断は禁物です。

【まとめ】

酸化マグネシウムは便秘薬として安全性が高く、多くの人に親しまれています。反面、体内のカルシウムやマグネシウムの量に異常が起こり、重篤な症状も発症するという副作用があることも理解すべきです。とても安心な便秘薬ですが、身体に異変を感じたら自己判断せず、必ず医療機関を受診しましょうね。

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