夏場のお弁当対策で守りたい5つのルール&おすすめレシピとは!?

シチュエーションに関わらず、家族や友人といった大切な仲間とお弁当を食べるのはとても楽しいですよね。しかし、日本の夏は高温多湿! 「さあ、弁当を食べよう」とフタを開けたら、なんとも言えない嫌なニオイ……。そんな経験、一度くらいはありますよね?

夏場は少しでも油断すると、「お弁当が傷んで美味しくない」、「お腹が痛くなった」ということになりかねません。場合によっては食中毒を発生させてしまうこともありますから、やはり何らかの対策はとっておきたいもの。ここでは、「夏場のお弁当対策で守りたい5つのルール」や「夏場でも傷みにくいおすすめレシピ」などをご紹介します。

夏場にお弁当が傷みやすい原因&おっかいない食中毒の種類は?

本題の「夏場のお弁当対策で守りたい5つのルール」や「夏場でも傷みにくいおすすめレシピ」をご紹介する前に、「お弁当が傷む原因」についても理解を深めることが重要です。まずはお弁当が傷みやすい原因や食中毒の症状などについて見ていきましょう。

なぜ、お弁当は傷むのか

お弁当が傷む原因は細菌です。細菌にも色々ありますが、とくに黄色ブドウ球菌が傷みのもとになっていることが多く、細菌が増えると食中毒を起こす原因にもなります。食べ物が傷む温度帯は10~60℃と幅広くなっていますが、細菌増殖のスピードが最も早くなる温度は30~40℃。つまり、日本の夏がまさにそれに当てはまるわけです。

食中毒の種類や症状

有害な物質に汚染された食品を食べることによって起きる健康被害のことを食中毒と言います。気温と湿度が高くなり細菌の繁殖が活発化する夏には、食中毒を起こしやすくなります。重症化すると死亡につながるケースもありますから、この時期はとくに注意が必要です。

夏に多い食中毒の原因となる主な細菌は以下の4つです。

O-157(腸管出血性大腸菌)

 

加熱が不十分な食材から感染し、少ない菌でも発症し、感染症や食中毒を起こす毒性の強い細菌です。感染すると4~8日後に下痢や腹痛、発熱などの症状が現れます。ひどくなると尿毒症や意識障害を起こすこともあります。

低温には強く冷蔵庫内でも生きていますが、加熱に弱い菌なので中心温度を75.1℃以上に加熱することで予防できます。もともとは家畜の大腸に生息しており、家畜の糞便から水や食べ物を介して人に感染し、人から人へと感染します。生レバーなどには特に注意が必要です。最近では、2014年7月26日に開催された安倍川花火大会の露店で売られていた「冷やしきゅうり」から400人以上が感染しました。

カンピロバクター

 

汚染された水や食品、細菌を持っている動物との接触によって感染します。牛や豚、鶏などの家畜が細菌を持っていますが、犬や猫などのペットも持っていることがあります。カンピロバクターは、65℃で1分間加熱することで死滅させることができます

感染から発症までは2~7日ほど掛かります。まず、発熱、倦怠感、頭痛、めまい、筋肉痛などの症状が現れ、次に吐き気や腹痛におそわれます。重症化するとギラン・バレー症候群を発症することもある怖い細菌です。

人間への感染源としては鶏が最も重要であると考えらえているため、生の鶏肉を食べる際にはとくに注意が必要です。厚生労働省によると、カンピロバクターによる食中毒は年間約2000人が発症しています。

サルモネラ

 

サルモネラ菌は主にヒトや動物の消化管に生息しています。牛や豚、鶏などの家畜が細菌を持っていますが、犬や猫などのペットも持っていることがあります。

感染すると半日から2日で発症し、腹痛、嘔吐、下痢、発熱など風邪とよく似た症状があらわれます。食肉や卵は十分に加熱し、ペットに触れた後にはよく手を洗うなどすることが有効です。日本における食中毒の1~3割がサルモネラ属菌とされています。

黄色ブドウ球菌

 

身近なところでよくみられる菌です。健康な人ののどや鼻の中、動物の皮膚や腸管、ホコリの中など、あらゆるところに存在しています。様々な食べ物の中で増殖し、エンテロトキシンという毒素によって吐き気・嘔吐・腹痛などの症状を引き起こします。感染すると30分~6時間(平均3時間)で発症します。

エンテロトキシンは熱に強いため、加熱しても毒性がなくなりません。予防のためには食品内での菌の増殖を防ぐことが大切です。手や指に傷がある人は調理をしない、調理の前にはしっかりと手を洗う、などを心掛けてください。黄色ブドウ球菌による食中毒は5~10月に増加するので、夏場はとくに注意が必要です。

傷みやすい食材と傷みにくい食材が知りたい!

傷みやすい食材や調味料は存在します。反対に傷みにくいものあるので、それらを上手に使い分けましょう。

傷みやすい食材

 

  • /卵はサルモネラ菌によって食中毒が起こりやすい代表的な食材とされています。完全に火を通したものであれば大丈夫ですが、夏場はなるべく避けたほうがよいでしょう。
  • ジャガイモ/ジャガイモは水分の含有量が多く、細菌の繁殖に適しています。また、火を通すのに時間がかかり、加熱が不完全になってしまうことも少なくありません。でんぷんを多く含んでいるため傷むのも早いといわれています。
  • マヨネーズ/油を多く含んでいるため、他の食材と混ぜると水分が出やすくなります。お弁当の定番であるポテトサラダやマカロニサラダは避けたほうがいいかもしれません。どうしても使いたい場合は別容器に用意するようにしましょう。
  • 練り物(ちくわ、かまぼこなど)/ちくわやかまぼこなどの加工品は傷むのが早いので、できれば火を通してからにしましょう。
  • チャーハン、炊き込みごはん/しっかり加熱されていれば問題ありませんが、様々な具材が入っているため、傷みやすいと考えられています。

傷みにくい食材

 

  • 梅干し/梅干しにはクエン酸が豊富に含まれており、強い抗菌・殺菌作用があります。また、胃腸の働きを助ける効果もあります。
  • お酢/お酢は非常に優れた防腐・殺菌効果をもっています。ごはんに混ぜ込んですし飯にすると効果的です。[/aside]
  • ショウガ/ショウガには、ショウガオールとジンゲロールという殺菌成分が含まれています。また、食欲増進効果もあるので夏のお弁当にオススメです。傷みやすい食材に混ぜて使うと効果的です。[/aside]
  • カレー粉/カレー粉にはウコンが入っており、防腐効果が期待できます。様々な食材に味付けとして使えるのでとても便利です。

豆知識! 保温効果のあるお弁当箱は使っても大丈夫?

保温効果のある弁当箱を使うと、寒い冬でも温かいごはんや汁物が食べられることから、利用している人は多いのではないでしょうか。しかし、真夏に使ってもいいのか気になりますよね。中身が蒸れてしまい、余計に食材が傷んでしまうような気が……。

保温効果のある弁当箱を数多く販売するサーモスや象印のオフィシャルサイトによると、「夏場に使用しても大丈夫」となっています。ただし、「直射日光の当たるところや車の中など、高温になるところでは使用しないでください。おかず容器は周囲温度の影響を受けるため、腐敗しやすいものは入れないでください。」という注意書きがされています。

この文面から判断すると、夏場に保温効果のある弁当箱を使用するのは避けたほうがいいかもしれません。どうしても温かいごはんや汁物が食べたい場合は、袋に入れるなり、ナプキンでくるむなりして、できるだけ直射日光や高温を避けて持ち運ぶようにしましょう。

夏場のお弁当対策で守りたい5つのルール&おすすめレシピとは!?

冷ましてからフタを閉めるのもコツ!?

これまでの予備知識を踏まえたうえで「夏場のお弁当対策で守りたい5つのルール」を実行すれば、楽しいお弁当タイムになることは間違いないはずです。

さて、本題に入ります。

夏場のお弁当対策で守りたい5つのルール

夏場のお弁当対策で守りたい5つのルールを知ることで、細菌をゼロに近づけるお弁当にすることができるでしょう。

ルール01/ご飯はできるだけ炊きたてを入れるべし!

「冷めたものをレンジで再び温めたご飯」、「昨晩の残りのご飯」、「混ぜご飯」などは腐るのが早いと言われています。お弁当に入れるときは、できるだけ炊きたてのご飯を入れるようにしましょう。どうしても炊き立てが用意できない場合は、ワサビシートなど防腐効果のある弁当グッズを使いましょう。

ルール02/殺菌効果のある調味料・食材を活用!

傷みにくい食材のところでも紹介しましたが、以下のような食材・調味料を活用することで、より安心してお弁当作りができます。

  • わさび(抗菌・殺菌効果)
  • 梅干(抗菌・殺菌効果)
  • お酢(防腐・殺菌効果)
  • カレー粉(防腐効果)
  • 生姜(殺菌効果)
  • 塩(防腐効果)
ルール03/おかずを詰める前にしっかり加熱せよ

「お弁当は昨日のおかず」という人も少なくないでしょうが、前日に作ったものだと夏場はどうしても雑菌が繁殖しやすくなります。その場合は弁当箱に詰める前にレンジで加熱し、炒め物であればもういちど炒め直すことをおすすめします。電子レンジで2分間温めると、サルモネラ菌や大腸菌などは90%死滅するといわれています。

ルール04/おかずはしっかり冷まし、湿気を取る!

湿気も傷みの原因になります。湯気が出ている状態のおかずをすぐに弁当箱に入れるのではなく、しっかり冷ましてから入れるようにしましょう。温かい状態のものを入れて、しばらくフタを開けておくやり方でも構いませんが、できれば冷ましてからのほうが安心です。除湿効果のあるワサビシートも販売されているので、それを利用する方法もあります。

ルール05/お弁当の賞味期限は8時間が限度

そして、朝作ったお弁当は昼に食べるようにしましょう(賞味期限は8時間くらい)。ちなみに、昼に食べられなかったお弁当を夜に食べたりしないように。食べずに持ち帰ってきたものや食べ残したものは、もったいないですが処分したほうが安全です。

夏場におすすめ! 傷みにくいレシピ

  1. 豚肉のしょうが焼き/殺菌成分&食欲増進効果のあるショウガと、ビタミンが豊富な豚肉の組み合わせです。
  2. 小魚のカレー南蛮漬け風/お酢でさっぱり美味しく食べられます。抗菌効果で一石二鳥!
  3. 鳥の唐揚げ甘酢あえ/お酢を使っているので安心です。
  4. かまぼこ焼き/火を通すので安心です。カレー粉をまぶして焼くのもオススメ。
  5. 塩麹を使った卵焼き/塩麹には防腐効果があるといわれています。これで卵料理も安心です。
  6. 大根の梅ポン酢煮/梅&お酢で殺菌効果あり!

夏場のお弁当対策まとめ

夏場のお弁当は油断するとすぐに傷んでしまいます。場合によっては怖い食中毒を引き起こしてしまうこともあります。家族や友人どうしでのせっかくの楽しいレジャーを台無しにしてしまわないように、お弁当を作る際にはしっかり対策をとっておきたいものです。

  1. ごはんはできるだけ炊き立てを入れる
  2. 殺菌効果のある食材や調味料を使う
  3. おかずはしっかりと加熱する
  4. お弁当のフタを閉めるときはしっかりと冷ます
  5. 8時間以内に食べる

対策といってもべつに難しいことではありません。ほんのひと手間でできることばかりですから、面倒くさがらずに、安心&安全なお弁当作りを心がけましょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアしてくれると嬉しいです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です