体育の日の由来|晴れになる確率を調べて分かった驚きの事実とは?

スポーツの秋、読書の秋、はたまた食欲の秋と言われるように、秋は暑くもなく寒くもなく、一年のうちで最も活動するのに適した季節です。そんな活動に適した秋を象徴する国民の祝日に、「体育の日」というものがあります。

そもそも「体育の日」はどのような由来で制定されたのか。さらに、体育の日は「晴れになる確率が高い」という噂もありますが、実際のところはどうなのか。ここでは「体育の日」に関する疑問をご紹介します。

体育の日の由来|いつから、どんなきっかけで始まったの?

体育の日は10月10日――。この印象が強い人は多いでしょうが、現在の体育の日は毎年10月の第2月曜です。そのあたりの変遷も含めて、まずは体育の日の由来や始まりを見ていきます。

体育の日の由来|東京オリンピック(1964年)と晴れの特異日の影響!?

国民の祝日に関する法律によると、体育の日は「スポーツに親しみ、健康な心身を培う」ことを趣旨としています。「体育の日」が制定されたのは1966年(昭和41年)。毎年10月10日を国民の祝日とすることになりました。この10月10日というのは、1964年(昭和39年)に東京オリンピックが開催された日をもとにしています。

体育の日を制定するにはぴったりの由来と言えますが、「あれっ!?」と思った人は多いでしょう。東京五輪は夏季に開催されましたので10月10日に開催されたのは疑問ですよね?

理由は、7~8月の本州はちょうど梅雨前線が停滞している時期にあたり、天候がぐずつく確率が高いということで大幅に時期をずらした、というのがひとつ。もうひとつは、10月の「晴れの特異日を利用した」ということです。

10月10日の「晴れ」確率は70%超だった!?

特異日とは、その前後の日と比べて偶然とは思われない程の高い確率で、特定の気象状態(天気、気温、日照時間など)が現れる日のことをいいます。しかし実際には、1964年10月の「晴れの特異日」は10日ではなく14日だったそうですから、特異日に合わせて開催したというのは、厳密には正しくないことになります。

それでも気象庁の発表によると、1966年から1999年までの34年間で10月10日に1ミリ以上の雨が降った回数はたったの5回となっていますから、その日を開催日に選んだのは間違いではなかったと言えるでしょう。

ハッピーマンデー法により10月10日から変更

1999年まで10月10日が体育の日とされてきましたが、その後「ハッピーマンデー法」の制定にともない、2000年からは毎年10月の第2月曜日が体育の日になり、現在に至ります。

ちなみに、この体育の日には、全国各地のスポーツ施設で使用料を割り引きや無料にしたり、様々なイベントが行われます。F1日本グランプリもこの時期に開催されることが多く、また、島根県の出雲市では三大大学駅伝の開幕戦「出雲全日本大学選抜駅伝」も開催されます。

晴れになる確率を調べて分かった驚きの事実とは?

 10月10日だった時代の「晴れ」確率

上の項でも少し触れましたが、天気のよい時期におこなうために、わざわざ東京オリンピック開催の時期を大幅にずらしたほどです。体育の日はやはり晴れになる確率が高いのでしょうか。ここでは1971~2000年までの東京地方の10月10日の天気をさかのぼって確認してみたいと思います。

※ちなみに、一日に少しでも晴れ間が見えた確率を算出しましたのでご理解ください。青字は晴れ間がない日です。

  • 2000 曇りのち晴れ
  • 1999 晴れ
  • 1998 晴れのち一時雨
  • 1997 曇り一時雨のち晴れ
  • 1996 曇り時々晴れ
  • 1995 曇り時々晴れ
  • 1994 曇り一時雨
  • 1993 曇り時々晴れ
  • 1992 晴れ
  • 1991 曇り時々雨
  • 1990 曇りのち晴れ
  • 1989 晴れのち曇り
  • 1988 晴れ一時雨
  • 1987 曇りのち晴れ
  • 1986 曇り
  • 1985 晴れ
  • 1984 曇り時々雨(一時晴れ)
  • 1983 曇り
  • 1982 曇り時々晴れ(一時雨)
  • 1981 晴れ一時曇り
  • 1980 曇り
  • 1979 曇り時々晴れ(一時雨)
  • 1978 雨のち曇り
  • 1977 曇り一時雨
  • 1976 晴れ時々曇り
  • 1975 晴れのち曇り
  • 1974 晴れ一時曇り
  • 1973 晴れ
  • 1972 晴れ時々曇り
  • 1971 雨一時曇り

まったく晴れ間がなかった日はわずか8回だけ。晴れ間が見えた確率は約73%でした。4回に3回程度は太陽が見える一日なわけですから、10月10日は「おおむね晴れ」、「まずまずの天気が期待できる」と言えるでしょう。

毎年10月第2月曜日に変更してからの「晴れ」確率

2000年以降、体育の日が毎年10月の第2月曜日に変わってからはどうでしょうか?

  • 2016 曇り
  • 2015 晴れ
  • 2014 曇りのち雨
  • 2013 晴れのち曇り
  • 2012 晴れ
  • 2011 曇りのち晴れ
  • 2010 晴れ
  • 2009 晴れ
  • 2008 曇りのち晴れ
  • 2007 曇りのち雨
  • 2006 晴れ
  • 2005 
  • 2004 雨のち曇り
  • 2003 曇り一時雨
  • 2002 晴れ
  • 2001 曇りのち雨
  • 2000 雷雨のち曇り

まったく晴れ間がなかった日は17回のうち8回。晴れ間が見えた確率は47%でした。10月10日に比べると晴れの日が少ないのが分かります。このデータから考えると、10月10日というのは、やはり「晴れの特異日」といって間違いないのかもしれません。

名称が「スポーツの日」に変わるって本当!?

現在、「体育の日」を「スポーツの日」という名称に改める話がすすめられています。超党派議員からなるスポーツ議員連盟により、早ければ今年の秋には改正法案が国会に提出される見込みです。

2011年にスポーツ基本法が制定され、15年にはスポーツ庁が創設されるなど、スポーツはすでに従来の学校体育の枠を超えて広がっています。ちなみに、日本体育協会が日本スポーツ協会国民体育大会は国民スポーツ大会へと名称変更が検討されています。

現在の国民の祝日に関する法律では、体育の日の趣旨を「スポーツに親しみ、健康な心身を培う」としていますが、新たに「スポーツを楽しみ、互いを尊重し、健康で活力ある社会を願う」と、スポーツの意義を明確に打ち出す文言に変更する案も紹介されているということです。

1964年の東京オリンピックを機に制定された「体育の日」が、2020年の東京オリンピックを見据えて新しいものへと形を変えようとしているのでしょう。

体育の日【まとめ】

体育の日というと、やっぱり運動会を連想しますよね。筆者自身が子供の頃からスポーツが好きだったからかもしれませんが。

日本での運動会の始まりは、1874年に海軍兵学寮で行われた「競闘遊戯会」だと言われています。当時の海軍兵学寮は規則が厳しく、それに耐えられずに退寮する者が続出したため、海軍兵たちのストレス発散とともに体と精神面を鍛えることを目的として、そのような催しが提案されたのだそう。

その後、1883年に東京大学が「運動会」の名で開催したのをきっかけに、初代文部大臣が全国の小中学校でもおこなうよう言い渡し、現在のようなかたちになりました。

2017年の体育の日は10月9日です。太陽が顔を出すか、楽しみに待ちましょう。

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