七五三は男女とも3歳からやるの? 男の子は着物とスーツどっち?

年中行事の「七五三」ですが、近年は海外からの観光客にも注目されていますよね。その影響か、各地の神社で七五三のイベントが積極的に行われるようになりました。30~40年前の七五三と言えば、神社にお参りして千歳飴をもらって終わり……それぐらい質素だった気がしますが、これも時代の移り変わりでしょうか。

さて、七五三は一般的には女の子は「3歳と7歳」、男の子は「5歳」と言われていますが、一部では「男女とも3歳から祝う」という話も。実際のところ、なにが正しいのか分かりませんよね。

ここでは、七五三そのものの風習や実状、気になる服装などについてご紹介します。

七五三の豆知識|七五三は「男女とも3歳から」が一般的なの?

そもそも「七五三」ってどんな行事?

本題に入る前に、まずは七五三の由来から見て行きましょう。

七五三は「子供の成長を祝い、無病息災を願う行事」です。大昔は乳幼児が病気で亡くなることが多かったので、「子供が7歳になるまで無事で健康に成長できますように」と願う行事が数多くあったと言われています。

その中で、朝廷や貴族といった特権階級のあいだで行われていた、子供の成長を祝う儀式がありました。

男女ともに3歳になると髪を伸ばし始める「髪置(かみおき)」

男の子が5歳になって初めて袴を着ける「袴着(はかまぎ)」

女の子が7歳になると着物の付けひもをとり、帯を使い始める「帯解(おびとき)」

これらの儀式が七五三の起源だと言われています。

江戸時代になってこの風習が武士や裕福な商人の間でも広まります。そして、明治時代になるとこれらの3つの儀式をまとめて「七五三」と呼び、庶民にも受け入れられるようになりました。それが現代にも受け継がれているというわけです。

七五三は男女とも3歳から一般的なの?

本題の七五三は「男女とも3歳から」が一般的なの? について。

「七五三」は3歳・5歳・7歳の三段階に分かれていますが、男女でお祝いする年齢が違います。

一般的には男の子が「3歳・5歳」、女の子は「3歳・7歳」と決まっています。

ただし地域によっては、男の子は「5歳のみ。3歳のお祝いはしない」ということもあるので、行事に参加する地域の神社や役所などで確認しておくとよいでしょう。いずれにしても男の子の場合は5歳のお祝いが最も重要だと考えられています。

また、3歳と5歳の両方でお祝いする地域であっても、必ずしも両方とも参加しなければいけないわけではありません。

数え年と満年齢。どっちで年齢を決めるの?

昔は数え年が基準になっていましたが、現在は満年齢でお祝いするのが一般的です。

ただ、歳の近い兄弟姉妹がいる家庭では、「上の子は満年齢で下の子は数え年」というふうに、兄弟姉妹そろってお祝いする場合もあります。家族で話し合って決めるとよいでしょう。また、地域によっては慣例で数え年なのか、満年齢なのか決まっていることもありますので、ご近所の年配の方や神社、役所などで確認してみましょう。

七五三の日程はいつ? 何月何日にやるの?

古くからの風習では11月15日にお祝いすることになっています。しかし、その日に都合がつくとは限りませんから、神社などでも一定の期間を設けて、お祝い行事に参加できるようにしています。

七五三のお祝いは、一般的には10月中旬から11月前半くらいの間に行っています。

ちなみに、2017年の11月15日は数年ぶりの「大安日」となります。平日なので、なかなか都合がつかないご家庭も多いでしょうが、希少な一日であることに間違いありません。

なぜ、11月15日なの? 

11月15日に七五三のお祝いをするようになった理由には諸説があります。

「徳川家の将軍・家光が、体の弱かった自分の息子・徳松(後の将軍・綱吉)の健康のお祈りをしたのが11月15日だった」という話もそのひとつです。

また、旧暦の15日はかつて、二十八宿の鬼宿日(鬼が出歩かない日)に当たり、何事をするにも吉であるとされていたこと。旧暦の11月は収穫を終えてその実りを神に感謝する月であり、満月の日である15日に、氏神への収穫の感謝を兼ねたという話もあります。さらに、「七・五・三」を足した数が15になるからという話など、様々な言い伝えがあるようです。

男の子は着物とスーツどっち? 女の子は?

親御さんにとっては、服装も気になるポイントでしょう。

基本的には現代の七五三ではとくに服装について決まりはありません

普段着のような格好で行事に参加しても問題ありませんが、ほとんどのご家庭では、子供さんにそれなりの晴れ着を着せているようです。

昔は着物を着るのが普通でしたが、最近は男の子ならスーツ、女の子ならワンピースを着ることも多くなっています。お祝いの行事ですから、地味なものよりも明るい色合いのものを選ぶとよいでしょう。女の子ならちょっとしたアクセサリーもOKです。

これに当てはめると、「3歳の男の子」であれば「スーツ」が妥当かもしれません。

ただ、着物もスーツもどちらもレンタルができますし、値段は張りますがもちろん購入することも可能。親御さんの好みや経済事情に合わせて決めるとよいでしょう。

レンタルと購入のメリットとデメリット

レンタル

レンタルのメリット

  • 費用を安く抑えられる
  • レンタルスペース(美容室や写真館など)の場合、着付けの料金もセットになる可能性が高い

レンタルのデメリット

  • 新品ではない
  • 汚した場合のクリーニング費用を請求される可能性がある
  • 日程を変更すると延滞料金が掛かる
購入

購入のメリット

  • 新品を着させることができる
  • 汚そうが、破こうが費用を請求されることがない
  • 日程が自由に組みやすい

購入のデメリット

  • 費用が高い
  • 着付けの料金が別途かかる

思い切って伝統的な衣装を選ぶのもあり!?

古来の伝統にしたがって着物を選ぶご家庭もまだまだ少なくありません。年齢別、男女別の伝統衣装について少し触れてみたいと思います。

3歳の女の子「髪置の祝い」

晴れ着の上に「被布」といわれる袖なしの上着を重ねるのが一般的です。晴れ着に兵児帯(へこおび)を結び、その上に被布を羽織ります。被布は房のついた飾り紐でとめておきます。

5歳の男の子「袴着の祝い」

羽織袴が正式なスタイルです。紋付の着物に、羽織、袴、白い鼻緒の草履をはき、懐剣や扇子を持たせて凛々しい雰囲気を出すのが伝統です。

7歳の女の子「帯解の祝い」

3歳のときは兵児帯でしたが、7歳では初めて帯を結んでお祝いします。振り袖に本格的な帯を結びます。はこせこと扇子を胸元に入れ、志古貴(しごき)と呼ばれる芯のない帯を帯下に結びます。※はこせこ:懐に入れておく箱型の紙入れ

パパとママ|親の服装はどうする?

子供と同様に、大人も特に決まりはなく、大半の人が「略礼服」で参加されます。

  • 男性はダークスーツ
  • 女性はシックな色合いのワンピースなど

あくまで子供さんがメインのお祝い行事ですから、大人の方はできるだけ地味な装いで参加したほうがよいでしょう。子供が目立つように着飾ってあげるのがマナーです。

全国にある個性的な七五三。北海道、千葉県、茨城県

たとえば、冬の訪れが早い北海道では、他の都府県よりも早めに七五三の行事が行われます。一般的には10月中旬から11月前半あたりですが、北海道ではエリアによって9月中に済ませる場合もあります。11月の北海道はすでに冬の寒さですから、仕方のないことなのでしょう。

ほかにも、千葉県と茨城県の一部ではド派手な「七五三披露宴」をおこなう地域もあります。ホテルのバンケットルームを貸し切り、主役である子供とその家族は正装して入口の金屏風の前で招待客を迎えます。「主役がスポットライトを浴びながら入場し、家族とともに高砂に座る――」というもの。途中でお色直しをする場合もあるそうで、親御さんによってはこの日のために積立預金までするとか。かなり本格的なイベントですよね

まとめ

七五三の参加年齢は、一般的には男の子は「3歳・5歳」、女の子は「3歳・7歳」です。服装は、男の子ならスーツ、女の子ならワンピースを着る場合が多いですが、とくに決まりはないのが実状。子供さんや親御さんの好みで選んで問題ないでしょう。

七五三は子供の健やかな成長を祝い、無病息災を願う貴重な機会です。家族みんなで楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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