お中元で選ばれる人気商品はなに? 金額、予算はいくらが妥当?

日本の夏の風物詩といえば、花火、プール、海水浴、暑中見舞い……いろいろ浮かぶかと思いますが、夏の贈り物である「御中元」もそのひとつではないでしょうか。

毎年、梅雨入り間近になればデパートはもちろん、近所のスーパーでもお中元コーナーが特設されます。酒屋さんやディスカウントショップなどでも、大きな「お中元」ののぼりを目にするようになります。しかし、デパートなどのお中元コーナーに足を運ぶ人を見てみると、そのほとんどが年配の方たちです。暑中見舞いや年賀状といった季節の挨拶状と同様に、お中元を贈る習慣も、世代を追うごとに薄れていっているのが現状なのでしょう。

お中元で選ばれる人気商品はなに? 金額、予算はいくらが妥当?

御中元の基礎知識

お中元が夏の贈り物であることは知っているけど、自分から贈ったことはないし、誰かからもらったこともない。若い世代の多くがそういった状況ではないでしょうか。でももしかすると、そんな若い人たちの中にも「お中元を贈ってみたいなあ…」と思っている方がいるかもしれません。そんな方のために、お中元の基礎知識を少しおさらいしてみたいと思います。

お中元とは

お中元とは夏のご挨拶として贈るものであり、道教(中国の三大宗教のひとつ)の年中行事である「中元」が起源となっています。これに日本古来の先祖供養の風習が融合し、親類縁者へのお供えとして物を贈るようになったのが始まりとされています。現代のような、感謝の意を表すための贈り物へと変化したのは江戸時代からだと言われています。

誰に贈ればいいの?

そもそも誰にお中元を贈ればいいのかが分かりませんよね。今までにお中元を贈ったことがないと、まずそこでつまづいてしまう方もいることでしょう。

しかし、難しく考えることはありません。お中元というのはあくまで挨拶のしるしですから、基本的には誰に贈っても大丈夫です。お世話になっている職場の上司でも構いませんし、親戚や、離れて暮らしている家族でもいいでしょう。しばらく会っていない友人などに贈るのもいいです。それをきっかけに久々の再会を果たすことにもなるかもしれません。

どんな物を贈ると喜ばれる?

古来、お供え物として贈られていたこともあり、現代でも食べ物を選ぶ人が多いです。食べ物となると、相手方の好みの問題もあり、選ぶことに神経質になってしまう方もいらっしゃるようですが、あくまで挨拶として贈るものですから、あまり細かいところまで気にする必要はないと考えられています。

以前は様々な理由から贈ることがタブー視されていた品もありました。例えば、ハンカチ、下着、靴下、櫛(苦・死を連想させるから)、先のとがったもの、冷凍・冷蔵が必要な食品、現金、商品券など。しかし最近ではそういった傾向は見られなくなってきて、常識の範囲内であれば何を贈っても問題ありません。さすがに現金は失礼かと思いますが…。

贈ると喜ばれそうなもので従来から人気があるのは、夏らしさを感じさせてくれるものです。例えば、メロンやスイカ、桃、マンゴーといった夏向きのフルーツ類や、それらを使った旬の和菓子、ゼリー、アイスクリームのような清涼感のあるスイーツなどが挙げられます。

他にも定番としてはそうめん、ハム、麺類、つくだ煮ビールやアイスコーヒーなどの飲料。あるいはちょっと贅沢ですが、夏ということでスタミナがつく鰻を選ばれる方もいらっしゃるようです。

どうしても食べ物や飲み物は避けたいという場合は、夏の風物詩(花火、海、金魚など)をあしらった日用品を贈るのもいいでしょう。ちょっとした置物や飾り物でもじゅうぶんだと思います。こういったものが、従来の人気商品とされていました。

最近の人気商品は?

ところがここ数年、人気商品に少し変化が表れています。定番の食べ物は相変わらず人気があるようですが、やはり相手を気遣ってか、選び方に変化が見られます。

以下が2016年度のお中元商品人気ランキングです。

  1. 洋菓子
  2. カタログギフト
  3. 酒類
  4. 肉・加工品(ハム、ソーセージなど)
  5. 商品券・ギフトカード

「洋菓子」は毎年、不動の1位をキープしていますが、印象的なのは2位の「カタログギフト」。これは今の時代ならではの発想でしょうか。贈る相手の嗜好などを気にする必要もなく、相手方で好きなものを選んでいただけるわけですから、合理的といえます。3位の「酒類」「肉・加工品」も定番中の定番。5位にランクインした「商品券・ギフトカード」は、2位の「カタログギフト」を贈るのと同じ発想からだと思われます。

「そうめん」はいつの時代もトップテンに入る人気ぶり。従来の定番品であった「フルーツ」「コーヒー・お茶・ジュース」などは6位以下となっており、人気は低下しつつあるようです。心なしか昨今の世相を反映した結果になっているように思えてなりません。おそらく2017年度も、これと同じような結果になるのではないでしょうか。

金額はいくらが妥当?

お中元を贈るときにもうひとつ気になるのが、品物の値段です。送り主の予算の範囲内で考えるのは当然ですが、日ごろお世話になっている相手に安い物を贈るのは気が引ける。逆に高価なものを送ってしまっても相手が気を遣うのではないか? では、一般的にはどれくらいの値段のものを贈れば妥当といえるのでしょうか。

このようなデータがあります。

  • 3000円以下   … 約12%
  • 3000円くらい  … 約35%
  • 4000円くらい  … 約10%
  • 5000円くらい  … 約33%
  • 10000円くらい … 約7%

これは2016年度のお中元商品の価格相場を表したものです。

見ていただくとわかるように、「3000円くらい」と「5000円くらい」がともに30%を超えており、一般的に多くの方が妥当と考える金額だと思われます。ここ数年、大きな変化はなく、ほぼ一定の数字を保っています。お中元に10000円以上使う人はかなり少ないようです。

贈る相手によって値段も変わってくるのではないか? と考える方もいらっしゃるかと思いますが、そういった事情にはほとんど左右されないようです。上司や目上の人、仕事の取引先、親戚、職場の部下、といったカテゴリー別に見ても、やはり「3000円くらい」と「5000円くらい」が最も多くなっています。

抑えておきたいお中元のマナー、注意事項

 お中元を贈る際の注意事項などはあるのでしょうか?

贈る相手も決まり、商品選びも終えて、いざ発送の段階になってミスを犯してしまっては元も子もありません。ここではお中元を贈るときに気を付けるべきポイントを見ていきましょう。

贈る時期

お中元を贈る時期ですが、これは地方によってズレがあるので注意したいです。

首都圏では一般的に7月上旬から15日までに贈るのが通例とされています。ただ、最近は時期を少し前倒しして6月下旬から7月15日の期間に贈るパターンも増えているようです。首都圏以外では7月上旬から8月15日頃がお中元の期間となっています。

以前は関東と関西でお中元を贈る時期が異なる、という見方がされていましたが、最近では、首都圏と首都圏以外、という区分になっているようです。

のし紙の書き方

挨拶としての形式上、贈る品には「のし」を付けるのが通例となっています。

のし紙は紅白5本蝶結びのものを選びます。書き方はいたってシンプル。のし紙の上段に縦書きで「御中元」と書いておけば大丈夫です。ただし、継続的に付き合いのある相手ではなく、その年に一回きりでお世話になった相手などに贈る場合は、「御中元」ではなく「御礼」と書いておくのが無難です。

もし、贈る時期を逃したら……

もしうっかりして贈る時期を逃してしまった場合、立秋(8月8日か9日)までであれば、のし紙には「お中元」ではなく「暑中御見舞い」と書き、立秋以降なら「残暑御見舞い」と書きかえて送れば失礼にあたることもありません。

のし紙に名前は書くの?

のし紙の下段に送り主の名前を書きます。個人として贈る場合は苗字のみで構いません(※フルネームを書いても問題ありません)。たいていの場合、品物を購入した先で店員さんに書いてもらうことになると思いますので、それほど心配はいらないでしょう。

もうひとつ、贈る品とともに簡単な挨拶状やお礼状を添えておくという作法もあります。決して堅苦しいものではなく、数行の自筆のメッセージをカードに書いて添えるのもよし、暑中見舞いや残暑見舞いと同様の文面を便箋などにしたためて品物に添えておくのもいいでしょう。そういったちょっとした心遣いは、きっと喜ばれると思いますよ。

まとめ

お中元についてひと通り解説してきましたが、イメージはつかめたでしょうか? お中元に堅苦しい、難しいルールなどはないことがお分かりいただけたと思います。日本古来の風習であり、現代では少しずつ馴染みの薄いものになりつつありますが、ちょっとしたプレゼントだと考えれば、もっと気軽にお中元を楽しめるようになるかもしれません。

誕生日やクリスマス、バレンタインデーなどにプレゼントを渡すように、日ごろお世話になっている上司や、離れて暮らす家族、学生時代の懐かしい友人などに、挨拶代わりのお中元を贈ってみてはいかがでしょうか。

 

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